好き。…嘘、大好き。【6】[佐野玲於]

くだらない心配 ページ46

.

Aside




ツアーが始まって2週間。


次のライブは2日あけてからで、
1日だけオフを貰った。


玲於くんもオフだったらしく、
一緒に過ごしたいな、なんて思ってると
朝から電話が鳴って、買い物行こって。


バレないか少し心配にもなったけど、
デートできるってことがすごく嬉しくて
着る服悩みに悩んで待ち合わせ場所へ。




A｢あ、あそこのお店行こ！｣


玲於｢なに、雑貨？｣




本日３件目の雑貨屋さん。


またかよ、って呆れたふうに言うくせに
玲於くん、これいいんじゃね？なんて自分も楽しんでたり。


雑貨好きすぎかよ、なんて小馬鹿にしてくるけど
私が雑貨店ばっか行くのと同様に、玲於くんも。




玲於｢あ、次あの店ね。｣


A｢また洋服〜？｣




いろんなお店に入って、どんどん洋服を購入していくの。




服選んでる時は、ブツブツ独り言言いながら、真剣そのもの。


なんか、邪魔しちゃうのも悪いから
私、他のところ見てくるね、って離れようとすれば、




玲於｢ダメ。一緒に選んで。｣




なんて、わがままを言う。


仕方なく玲於くんの服選び眺めてると
2つのアウター私の目の前に出してきて。




玲於｢どっちがいい？｣


A｢え？どっちも似合う。｣


玲於｢そんな模範解答要らないから。ほら、早く。｣


A｢わかんないもん。玲於くんが選んでよー…｣


玲於｢ダメ。Aが選んだの着たいから。｣




ほら、って急かされて
じゃあこっち、って玲於くんが右手に持ってた方の服を選んだ。


ん、って小さく返事してレジに持って行く玲於くんを眺める。



……ほんと、突然の甘くなるのどうにかならないかな？


心臓もたないっていうか、
………顔、緩んじゃう。


顔押さえて見られないようにしてると、支払いを終えて戻ってきた玲於くんに
何してんの？って笑われて。




………バカップル、みたいに見えないかな…………？



そんなくだらない心配が、脳裏を過った。





.

照れてる彼女→←予定外

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す