好き。...嘘、大好き。【4】[佐野玲於]

店番 ページ10

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Aside




A｢……こんばんは…｣




恐る恐る、店内に足を踏み入れた。



するとそこには、
慌ただしくバッグに財布とか、いろいろ詰め込んでるアキくんがいて。



私に気づくと、パッと顔を明るくさせる。




アキ｢A！よく来てくれた！！｣


A｢どうしたの？そんな急いで。｣




聞くんだけど、アキくんはこの質問に答えることなく
私の元に近寄ってくると、そのまま手を引っ張って私をレジカウンターへ。




……はい！って立たされたのは、普通は店員さんが立つ、カウンターの向こう側。




アキ｢…Aさ、ちょっと店番してくんない？｣


A｢……は？｣


アキ｢いやあ、急用できちゃって。1時間くらいお願いね？｣


A｢え、ちょっ、｣


アキ｢座ってるだけでいいから！あ、人が来たらそこの鍵渡してレンタルして？じゃ、よろしく！｣




………まただ。


電話と同じ。



待って、っていう前に出ていったアキくん。




帰ってやろうかと思ったけど、さすがにここを無人にすることは出来なくて。



ため息をつきながら、私はレジカウンターのアキくんがいつも座ってる椅子に座った。




……しばらく料金タダにしてもらおう。


そんなことを考えながら。







それにしても、お客さんが来ない。


カラオケとかとは違うから、しょうがないのかな？



いざ人が来たらそれはそれで対応しきれないかもしれないけど、
誰も来ないってのも退屈。


スマホをいじりたいけど、ここではしない方がいい気がする。




……つまんないなぁ。


……何か良いことないかなぁ……




座ってる椅子でクルクル回りながら
心の中で呟いてみた。




すると。




────カランカラン。




鳴った、ドアのところにぶら下がってるベル。



そして、現れたのは。




玲於｢……え、A？｣




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