好き。...嘘、大好き。【4】[佐野玲於]

それとこれとは ページ6

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Aside




A｢…れ、玲於くん……？｣




ドキドキ。

ドキドキして。



やっとのことで絞り出したのは、彼の名前。



玲於くんはじっと見つめるだけで、何も言ってくれない。


私も反応に困って、ただただ黙った。





そして、数秒の沈黙のあと。




玲於｢……何固まってんだよ。笑｣


A｢へ、｣




今までのことが嘘みたいに、ヘラっと笑う玲於くん。




…え、


………え。


…私、からかわれた？




さっきとは違う意味で、顔が熱くなった。


慌てて左手を振り払う。




A｢か、からかったな！！！｣


玲於｢単純すぎなんだよ。｣


A｢玲於くんが変な事言うから！｣


玲於｢試したんだよ、ちゃんと対応できるか。壱馬と飯行くんでしょ？そんなんで大丈夫なの？｣


A｢壱馬はそんなことしないし！｣


玲於｢わかんねえじゃん、そんなの。｣


A｢壱馬だよ？するわけないじゃ…｣


玲於｢だから、わかんねぇだろって言ってんだよ。壱馬だって、男なんだから。｣


A｢……っ、｣





急に声のトーン下げて言うから、それ以上何も言えなかった。





“まあ、俺も男だから。”



確かに言ってたよ、壱馬も。



言ってた。

言ってたけどさ。



それとこれとは別の話。




玲於くんは、何を心配してるの……？





A｢……玲於くんのあほ！｣




そう吐き捨てて、私はスタジオを飛び出した。




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