好き。...嘘、大好き。【4】[佐野玲於]

らしくないお願い ページ44

.

Aside




ご飯食べ終わって、待ちに待ったデザート。

もちろんレアチーズケーキを頼んだ。




A｢ん〜！美味しい！！｣


壱馬｢ほんま好きやなぁ。笑｣


A｢レアチーズ愛してる。｣




大げさなこと言いながらケーキを口に運ぶ私を見て
壱馬は目を細める。



…でさ、さっきから
ひとつ気になってることがあるんだよね。




A｢壱馬？｣


壱馬｢ん？｣


A｢関西弁になってる。｣


壱馬｢えっ、ほんま？｣


A｢ほら。笑｣


壱馬｢あ、ほんとやな。笑｣




無意識やったわぁ、なんて
頭を掻きながら照れくさそうで。




壱馬｢Aの前やとなってしまうんよなぁ…｣


A｢なんで？｣


壱馬｢居心地がええから。｣


A｢なにそれ。笑｣




やけに素直な壱馬が珍しくて笑ってれば、
ほんまやで？って少し拗ねたように言う。




A｢いつも、そんなこと言わないくせに。｣


壱馬｢言わないだけで、いつも思ってる。｣


A｢やめてよ、壱馬に言われるとなんか恥ずかしい。笑｣


壱馬｢…じゃあ、もっと恥ずかしがってよ。｣


A｢え？｣




突然変な事言い出した壱馬の目は
さっきと同じように
じっと私のことを捉えていた。




壱馬｢もっと、俺にドキドキしてよ。｣




らしくない、壱馬のお願い。


真剣な顔をした壱馬に
何言ってんの、と返すのが精一杯だった。




.

シルエット→←特別

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す