好き。...嘘、大好き。【4】[佐野玲於]

忘れ物 ページ37

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Aside




今日のリハは新しい振りを覚えながらも、各自覚えてきた振りを合わせることが多かった。


壱馬や玲於くん達とみんなで踊ることもあれば
ペアの曲を練習することもあって
気づけばすごく濃いリハ。




リハーサル終わり

振付師さんに呼ばれていた私と沙耶は
みんなより一足遅く、更衣室に向かう。




A｢……あれ？｣




誰もいなくなった、更衣室の中心に置かれた
大きなテーブル。


そのテーブルの上に小瓶らしきものが
ぽつんと置いてあるのが目に入った。




近寄って、それを手に取ってみる。




A｢なんだろう、香水？｣


沙耶｢みたいだね。｣




透き通った水色の、丸みを帯びた小瓶。

キャップは透明で、そのてっぺんには何やらストーンらしきものが小さく埋め込まれている。

ゴールドのチェーンも付いていて、すごく可愛い。




きっとダンサーの誰かの忘れ物。


そう考えるのは容易だった。




A｢誰のだろう？｣


沙耶｢今日はダンサーのほとんどが来てたからなぁ…｣




どうする？放っておく？
受け付けとかに持っていってみようか？

そんな議論を沙耶と交わして。



しばらくはこのままにしておいてみようかって
香水から離れた時。




────ガチャ。




そんな音とともに
私や沙耶のものではない、ヒールの音が響いた。


振り返れば、栗色のショートの髪をサラリとなびかせた、綺麗な女性。




夏希｢あ、ごめん！誰もいないかと思ってノック省いちゃった！｣





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