好き。...嘘、大好き。【4】[佐野玲於]

電話の向こうの呟き ページ35

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Aside




A｢何、その見え見えすぎる嘘。｣


玲於『お前が言ったんだよ。』


A｢信じられない。｣


玲於『ほんとだから。笑 それと…──』


A｢？｣




何かを言いかけて、玲於くんは突然黙った。


気になって、何？と聞けば
いや、なんでもない、って。




…まただ。


また、言うのを途中で止めてる。




A｢言ってよ。気になるじゃん。｣


玲於『いや、ハイボール飲んでないっていう嘘よりしょうもないから。』




玲於くんはそれ以上この話を続けようとしなくて。




玲於『今日もリハだろ？』

A｢うん。お昼から。壱馬達も一緒に。｣


玲於『それ、俺らも参加できるようになったから。』


A｢そうなの？｣


玲於『それまでに二日酔い治しとけよ？』





最後に、じゃあ、あとでなって言い残して
玲於くんによって切られた電話。





……“なんで覚えてないんだよ”



切れる寸前、電話の向こうで玲於くんが
ため息混じりに、そう小さく呟いたのが聞こえた。



暗くなった画面をじっと見つめる。





A｢……私、何言ったんだろう……？｣





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