好き。...嘘、大好き。【3】[佐野玲於]

“また”？ ページ2

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Aside



それから間もなくして
スタッフさん達みんなが勢ぞろいして。



リハ開始の前に、ちょっとだけ撮影についての説明。

話しきいてると、斜め前の玲於くんが目に入って、さっきのことが思い出される。



……それにしても、心外だなぁ。


玲於くん、私が顔で選ぶとでも思ってる？


見た目よりも中身だよ、中身。


そりゃ、亜嵐さん達を見たら
かっこよすぎてドキドキしちゃうかもしれないけどさ。




しっかりと話の内容は頭に入れつつ、そんな事考えた。




今回の撮影は、基本的にはGENEの7人が踊ってるところを撮る。

そして、私たちバックダンサーが呼ばれるのは、
玲於くんたちパフォーマーがそれぞれ1人ずつ踊る場面。

照明暗めに調節されたところで踊るんだって。




｢では、ダンサーの方々を割り振りたいと思います。｣




スタッフさんが、事前に決められた振り分けを読み上げ始めた。

次々と名前が呼ばれる中、私が一緒に踊ることになったのは




隼｢A、よろしくー！｣




そう言って、隼くんは人懐っこい笑顔を浮かべた。




玲於｢え、A、隼と踊んの？｣


A｢そうだよ。｣


玲於｢またペア？｣


A｢そうだけど…｣




何、“また”って。




A｢“また”？｣


玲於｢あ、いや、なんでもない。｣




聞いてみれば、そう返されて、
そのまま話をそらされる。


その後はなかなか聞くにも聞けず、
結局似つかない返事のままだった。




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