好き。...嘘、大好き。【3】[佐野玲於]

勘違い ページ23

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Aside




A｢玲於くん玲於くん。｣


玲於｢なに。｣


A｢ちょっと強引だったよ。｣


玲於｢何が？｣


A｢だからっ！水谷さん、さっき困ってたよ？｣




タクシーの中。


そこまで説明すると、ようやく
あぁ、あの人ね、なんて、どうでもよさそうに呟く玲於くん。




タイミングを逃したからか、
右手は握られたままで。


右手から伝わる熱が、私の鼓動を早くする。




玲於｢あれくらいでいいの。｣


A｢どうすんの。勘違いされたら。｣


玲於｢勘違い？｣




思ってることを口にしてみると
案の定、首を傾げられる。



うわ、これ、具体的に言わなきゃだめ？


結構、玲於くんとの仲でも恥ずかしい。




玲於｢勘違いって、何？｣


A｢だから、ほら、その、｣


玲於｢ハッキリ言えよ。｣


A｢だから、っ！付き合ってるとか思われたら、嫌でしょ？｣




…言った。


言ってやった。




予想外だったのか、玲於くんは目を見開いてこちらを見た。


だけど、あー、なんて言いながら
また前を向いて。




え？反応それだけ？


私にとっては結構重要なんだけど。




相変わらず反応の薄い玲於くんに軽くショック。



なんだ、玲於くんにとってはその程度なのか。


ひとりで慌ててた自分がバカみたい。




目を伏せながら、心の中でそんなこと考えた。






すると。






玲於｢……まあ、別に俺は困らないけど。｣






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