好き。...嘘、大好き。【3】[佐野玲於]

言えるわけない ページ16

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Aside




なんというか、包容力がすごい。


男女双方から人気だろうな、なんて考えたり。




玲於｢A、ソロの時俺と踊ってたふたりのうちの一人、夏希だったんだけど、気づいてる？｣


A｢えっ！？｣


夏希｢あはは、いい反応。笑｣




衝撃的なこと言われて、慌てて脳内の記憶を漁った。


玲於くんと踊ってたふたり
どちらも髪長かったしだったし、なんというか、顔の雰囲気が…



頭の上にハテナを浮かべていると、夏希さんはまたクスリと笑って。




夏希｢わかんないよね。笑 監督に言われてウィッグ付けてリハの時から踊ってたし、メイクもめちゃめちゃ濃くされたし。｣




もう監督こだわり強すぎって
夏希さんは苦笑いを浮かべた。



驚いた。

メイクってこんなにも印象を変えるんだ。


だって、スタジオにいた意思が強そうで色気に満ちたあの女の人と
目の前にいる透明感溢れる夏希さんが同一人物だよ？




そんなこと思ってると、
あ！って、思い出したように夏希さんは声を上げる。




夏希｢Aちゃんて、もしかして、隼と踊ってた？｣


A｢あ、はい。ハット被ってたの、私です。｣


夏希｢やっぱり！私、あのシーンかっこよすぎて見とれちゃって！嬉しいな、そんな子と話せて。｣


A｢いえいえ、そんな…｣




本当に心からそう言われている感覚がして、
一気に毒気を抜かれる気分。




私は、夏希さんと玲於くんの絡みにモヤモヤしてました、？


そんなこと、言えるわけない。




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