もし俺が好きって言ったらどうする？[佐野玲於]

無茶振り ページ41

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玲於「どうせ誰にも漏らしたりしないでしょ、Aは。」



A「…もしかして信頼してくれてる？」



玲於「は？何言ってんの？自意識過剰。」




おっと、塩がきたよ。


ちょっと調子乗ったかもね。



いきなり塩になった玲於くんを見て思う。



本当、玲於くんはいついきなり塩になるのか分からない。




A「新曲の振りの練習？」



玲於「練習というより、振りを考える方。事務所のスタジオで行き詰まってさ。」



A「そっか。」





壁際に座ったまま、玲於くんが踊るのをただ見ていた。



もう、そこは玲於くんだけの空間で。



あ、これいいかも、とか、なんか合わねーなぁ、とかぶつぶつひとりごと言いながら振りを考えてる。



どうしようもなく、ダンス、大好きなんだなあ。



ああもう、なんなんだよ、なんて文句を言いながらも、表情はすごく楽しそう。





玲於「A、これよくね？」



A「へ？あ、うん。」




曖昧な返事に、玲於くんは眉をぴくりとさせた。




玲於「今見てなかっただろ？」



A「いや、見てた、けど…」



玲於「けど？」



A「ちょっと、考え事を、。」



玲於「どうせ食べ物でしょ」



A「そんなに私食いしん坊じゃないから！」



玲於「いや焦りすぎ。笑」




笑う玲於くんを見て、しまった、と思う。




玲於「てか、Aも踊ってよ。」



A「え、私も？」



玲於「そう言ってんでしょ。ほら。」





玲於くんに手を引かれて、立たされる。



専門学校を卒業してから、しばらく踊っていない。



無茶振りすぎるって。



動きも鈍ってるに違いない。






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