もし俺が好きって言ったらどうする？[佐野玲於]

つまんねえ ページ30

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玲於side





亜嵐「Aちゃん同じ地元だったんだ〜！言ってくれればよかったのに！」




嬉しそうに亜嵐くんは言う。




A「あまり、いう機会なかったし。」



亜嵐「なんか感激だなあ。Aちゃん方弁使ってた？」



A「もちろん！」



亜嵐「なんか、ずっと地元トークで話せそう。笑」



A「私、2時間は話し続けられるじしんあるよ。」




なんか、意気投合してる感じ。



名物は何だの、方弁が何だの、盛り上がってる。


the、地元トーク。



亜嵐くんも、滅多に同じ地元出身の人と出会わないらしいから嬉しいらしく、ずっとニコニコしてる。



なんか、つまんねえ。



なんとなく、斜め前に座ってるメンさんの足を踏んだ。




メン「わ、何。地味に痛いから。」




こういう時に限って冷静なメンさん。


次に、Aの靴に横から自分の靴をぶつける。




A「え？なに？」



玲於「もう1曲歌ってよ。」



A「いいけど、どうしたの？」



玲於「別に？」




そう言って、龍友くんが新たに歌ってた『Always with you』のテンポをどんどん上げる。




龍友「ちょ、ばっ、玲於のあほ！！」




そんなことを言いながらもしっかりテンポに合わせて歌ってて。


Aなんか、手を叩きながらずっとすごいすごい言ってる。




トイレに行こうとすると、俺も行くって言って、亜嵐くんも立ち上がった。


ふたりで店の廊下を歩く。




亜嵐「Aちゃんあんなに歌上手いとはね〜」



玲於「逆に音痴な方かと思ってた。」



亜嵐「またそうやっていじる。笑 」




トイレにある鏡の前で手を洗ってると、個室を出て同じように隣で手を洗い始めた。


ふたつの水の音がやけに響く。



ふと、亜嵐くんが呟いた。




亜嵐「Aちゃんさ、すごくいい子だよね。」



玲於「え？」




急にそんなこと言い出すから、ビックリする。




玲於「どうしたの急に。」



亜嵐「ん？なんとなく？玲於も思うでしょ？」




Aがいい子、かぁ。


確かに、面白い奴ではあるけど。




玲於「考えたことないからわかんないや。」



亜嵐「そっか。」




亜嵐くんはそれだけ言うと、水が流れていた蛇口を締める。



その時の、安心したような亜嵐くんの顔に、俺は少しだけ違和感を覚えた。





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