もし俺が好きって言ったらどうする？[佐野玲於]

ネガティブ全開 ページ16

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焼肉から十数日。




捻挫していた足も、腫れが引いてほとんど全回復状態。



見習いの仕事も、金沢さんに教えてもらいながら、この1週間だけでも随分と覚えた気がする。



私は主としてはジェネトークの担当ってことにはなってるけど、ひとつの番組だけ担当してればいいってわけでもなくて。



松田さんは他にも2.3個の番組をプロデュース。



金原さんも他にも役割を任されたラジオ番組があるから、私は金原に付き添って、いろいろなことを教えてもらう。



覚えがいいねって言ってもらえて、さっそく収録でちょっとずつ機械を担当させて貰えるようになった。




よく考えるのが、専門学校行っててよかったってこと。



それに、ジェネトークは人気番組としてはスタッフが極端に少ない状態だから、即戦力が必要らしい。




なんでも、私が来る前、家の事情とかでスタッフのひとが1度に２人も辞めてしまって、その穴が埋まってないんだとか。



そんなこと聞くと、なおさら頑張らなきゃって思うんだ。







そして今日は…
……ジェネトークの収録日。



スケジュール帳を見ながら、自然と気分が上がっていく。



焼肉楽しかったなぁなんて思って、何気なく鼻歌を歌いながら、エレベーターを待っていると、後ろに誰かが立ったのを感じた。







玲於「なんでそんなにテンション高いの」



A「わ！！！びっくりした！！」



玲於「大袈裟。」




朝から疲れるわ、なんて言いながら玲於くんはため息をつく。




A「あのね、…」




会話を続けようとして、そこで私はふと思ったんだ。



この前の焼肉のこと、覚えているのだろうかと。



いや、そりゃみんなでご飯食べた、的なことは覚えているだろうけど。




敬語なし！とか、苗字呼びなし！とか。



お酒もみんな飲んでたし、もし覚えてなくて、私がタメ口で話して、え？お前なに？みたいな雰囲気になったら…



わ、ダメだ。



ネガティブ全開じゃん。








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