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那須サイド


浮所は途中までニコニコ笑ってて。

記憶がなくても、体が覚えてるのか
目的地に近づくにつれて笑顔が消えていく。

手を握ってるといいらしくて、手を握ってるけど
浮所の手に力が入っていく。


那「大丈夫、大丈夫」


そう言いながら、背中をトントンするけど
浮所は涙目になってって。

現場についたときにはもう、泣いちゃった。

浮所の涙を拭いてあげるけど、
またポロポロ泣いちゃう。


那「今日やめる?」


浮「いく」


浮所は行くって言ってるし…

困って藤井くんに電話すると、
迎えに来てくれるらしい。

楽屋には誰もいないから、
そこで浮所を休ませようって。

しばらくしたら藤井くんが来てくれて、
浮所が持ってたブランケットを
浮所の頭からかける。

危ないから足元は見えるようにして、
みんなで支えて歩く。


那「浮所?泣いてていいからね」


浮所はタオルを握りしめてて、
俺が浮所をブランケットごと支える。

楽屋につくまでにたくさんのJrがいる。
チラチラ見られるけど、当たり前のこと。

浮所がいなくなって結構経ってるし、
何より今の浮所は記憶喪失。


藤「もう楽屋だからね」


浮所は小さくうんって返事をした。

楽屋に到着すると、ブランケットをのける。


藤「こんなに泣いちゃって」


まだ浮所のほっぺを流れてる涙を
藤井くんが拭く。

コンコンコンッ
ガチャ


優「あのー俺ら先にしたほうがいい?早めにする?あとにする?」


藤「あーできるだけあとにする、泣いちゃってるし。。ありがとう」


知らない人に急に話しかけられたみたいに
浮所がまた泣きそうになる。

浮所には知らない人か。。


優「あーごめん!泣かないでー」


ゆうぴーが叫びながら楽屋を出てった。


岩「あの人声でかくて怖いよねー」


大昇が浮所にすかさず話しかける。
大丈夫、大丈夫って背中をさすってあげてる。


藤「浮所?もう涙でない?」


浮「大丈夫」


佐「髪の毛からしようか」


浮所は今回、インタビューもしないで
ただ雑誌に出るだけ。

それでも浮所にとっては一大事。

浮所が鏡の前に座って俺が髪いじってると
浮所が記憶喪失になる前に戻った感じ。

いい感じになったとこで
藤井くんがちょっとメイクもしてあげる。


藤「あとで泣いていいから。撮影終わるまで泣かないでね、ごめんね」


藤井くんが頭をポンポンって撫でた。

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作者名:やまだまや | 作者ホームページ:http://128yamada0509  
作成日時:2020年11月4日 20時

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