TWELVE ページ15
『…何これ。羽…?』
鬼怒の言っていたことを思い出して、鏡で舌を見た。
舌には、うっすらと羽の形が出来ていた。
「鬼怒と契約を結んだの?」
背後から現れた、女の先生。…何か見たことあるような……妖怪?
「…水凛だよ。もう、忘れた?」
『あ、ああ…!!』
女の姿をしてるとわからない。言われるとわかる。
…格好が、若干せくしー過ぎる気がする。胸元から谷間見えてる。
『女だったんだ…。』
「ふふ、男だよ。今は女なだけ。
で、鬼怒と契約を結んだんだよね?」
『あ…、そうだけど。』
すると少し考え出して、遅かったか、と呟いた。
「わざわざ姫のファーストキスを奪うなんて、ね…。」
え…
『なんっ、なんで知って…。』
「姫の匂いから読み取ったんだよ、身体にもしっかり鬼怒の匂いが付いてる。
他の人間の匂いはしない。」
そう言われて、身体の至るところにあった傷を舐められたときを思い出して、一気に顔に熱を帯びるのを感じた。
「舌に印をつけるなんてよく考えるよ。」
『…契約ってキスでしか結べないんじゃ。』
「え?どこでもいいんだよ?」
……騙された。あの野郎、簡単に契約するなっていうから本当かと思ってた。
『鬼怒…許さねぇ…。』
「じゃあ、契約結んでくれる?」
そっと俺の左手を取って、にこりと微笑み言った。
『…ど、どうぞ。』
すると突然口調を改め、感謝致します、と告げて左手の甲にキスを落とした。
「ああーー!!!何しとんねん!!」
『え、鬼怒…。』
二階から、俺と水凛を見て叫んだ。
水凛は、鬼怒を冷やかな目で見ていた、そしてさっきまでの優しさが滲み出ていた声はまぁ低かった。
「鬼怒。私は姫と鬼怒の婚約は良くは思わないよ。
自分の身の上を考えれば、鬼怒もわかってるんじゃないかい。
安心していいよ、姫は私達が守るからね。」
婚約なんて、俺する気ないけど…。
つか、なにこの空気。睨み合ってるし…。
「…なんの話やろな〜。
ま、もう遅いで、A子供おるもんな〜。」
「は?」
……子供。
そう言われて、えっちなことしたのを思い出して、顔に熱が集まる。
「…なんて…?」
『じ、事故だろ…。』
すると、俺と鬼怒は上からあはは、と大声で笑い出した。
「水凛、Aはキスマ付けたら妊娠する思っとるんやで〜。
あー、面白い。キスまでしか知らんとか、ほんまに高校生かいな。」
『だっ!騙したな!!』
「いや、俺は何も言っとらんて。」
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大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» どういたしましてー、いえいえ、これからもよろしくお願いします。 (2019年1月11日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆつき - 理解して下さりありがとうございます!!助かります!!ありがとうございます! (2019年1月11日 8時) (携帯から) (レス) id: ca4204c2d8 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - シュランさん» 初めまして。こちらこそありがとうございます!それはよかったです。はい、少々お待ちくださいな。( ˇωˇ ) (2019年1月10日 10時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
シュラン(プロフ) - 初めましてシュランです。作品を読ませてもらいました。ザックり言うと、最高です。ありがとうございます!文も読みやすくて話も凄く面白いです。次の更新楽しみにしています (2019年1月10日 10時) (レス) id: 567cd1cb99 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» 初めまして、コメントありがとうございます。楽しんで頂けてとても嬉しいです。了解しました。話数を記入しておきます。 (2019年1月10日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2018年11月25日 23時