TEN ページ12
屋上。
鬼怒が秘密にするからというからついてきた。
今時、屋上にフェンスがない高校はいかがかと思う。だから、普段は屋上に行けないんだと思う。
「財布忘れたんなら俺に言えばええやん。愛のキッスでAに俺の精気分ければお腹いっぱいなるで。」
そう言いながら、鬼怒の手には購買で買ったホットドッグがある。
『いらない。それ…ちょうだい。……ください。』
無愛想に頂戴と言ったが、無言の威圧を頭上から感じて言い直した。
「じゃ、口移ししよか?」
『自分で食べれる。』
「残念やなぁ。」
そう言って、煙草を吸い始めた。俺、食事中なのに。白い目で見て、すぐホットドッグに目を向けて口に入れる。
ふと、鬼怒がこちらを見てこう言った。
「……えろっ。」
『ふぁ?』
気持ち悪ぃ。
俺別に何もしてないのに。
鬼怒に背中を向けて、また食べ始めた。
『鬼怒は昼食べたの。』
「まだ。後から食べるわ。」
『あっそう。』
「なんやねん、聞いといて。」
無視した。
「…じゃ、俺も食べよかな。」
鬼怒は俺の肩を後ろからガシッと掴み、俺を無理矢理振り向かせた。
『なんだよ。』
「いただきまーす。」
気の抜けた声でそう呟いて、俺に唇を重ねた。
『っ!んぅっゃ、は…っ…。』
俺を食べるように何度も喰らいつくられて、逃げられない。
心臓も急に鼓動が加速しだした。
数十秒間、そのままで舌の感覚が可笑しい。
そっと、鬼怒の顔を見ると虚ろな目をしてとてもいつものようには見えなかった。
『っはぁ…はぁ…。』
息が上がって、視界が歪む。
「怖かったん?ごめんな、抑え効かんくて。」
恐る恐る顔を見るといつもの明るいような怖いような顔だった。
『…許さない。』
「え、怖。」
『…そういえば、最近妖怪とかあんまり見なくなった。』
「せやろ。俺と契約しとるからやで。あとで自分の舌、鏡で見てみ。それのおかげであんまり近付かんよーになってるんやで。
まぁ、領域型の妖とか俺クラスはどーってことないんやけど。
俺に感謝しーや。あ、あと契約はAが心臓がドクッてしたとき結ばれたんやで。ほかの奴とは軽々しく契約したらアカンよ。特に月詠はな。
じゃ、次の授業頑張るんやで。」
…なんか、すごいけど。領域型とか鬼怒クラスってどういう強さなのかわからない。
契約結ぶときはキスしなきゃならないのはわかった。
どんな契約の結び方だよ。
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大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» どういたしましてー、いえいえ、これからもよろしくお願いします。 (2019年1月11日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆつき - 理解して下さりありがとうございます!!助かります!!ありがとうございます! (2019年1月11日 8時) (携帯から) (レス) id: ca4204c2d8 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - シュランさん» 初めまして。こちらこそありがとうございます!それはよかったです。はい、少々お待ちくださいな。( ˇωˇ ) (2019年1月10日 10時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
シュラン(プロフ) - 初めましてシュランです。作品を読ませてもらいました。ザックり言うと、最高です。ありがとうございます!文も読みやすくて話も凄く面白いです。次の更新楽しみにしています (2019年1月10日 10時) (レス) id: 567cd1cb99 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» 初めまして、コメントありがとうございます。楽しんで頂けてとても嬉しいです。了解しました。話数を記入しておきます。 (2019年1月10日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2018年11月25日 23時