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その名は酒呑童子 ページ39

ううっ崖から落ちて痛いし酒臭いし、酔っ払っいに絡まれるし!なんなの!


鬼の逞ましい腕がきっちり私の腰に回り固定され、鬼の顔が私のお腹の上にある状態だ


「ちょ、ちょっと?お兄さん?」


私は紅葉じゃないよ!!!!


「俺…様は……お前さえ、星のように…かがや…い…て、いれば…それでいい…………」


私はどけようとした手を止めた


途切れ途切れに聞こえた声が、あまりにも切なく聞こえたからだ


鬼は私のお腹に顔をうずくまる


紅葉っていう人に、恋してるのかな?


でもこの調子だと一方通行っぽい


「…!」


そして昨日、茨木童子との会話を思い出した


確か…酒呑童子は酒と女に溺れてるんだっけ?


そして私が一方通行なの?て聞いたら、茨木童子は黙ったままだった


もしかしてだけど、もしこの鬼の恋が一方通行ならば


「酒呑…童子?」


私はその可能性を感じ、嬉しく思った


茨木童子との約束、果たせることができた


でも、嬉しいはずなのになぜか悲しい


この鬼は愛おしいだろう人の名を呟く


「紅葉………スゥ…」


…よく考えたら、動けなくない?私


逃げれない


この状態…見られたら確実に死ぬ


「一気に、気が沈んだわ」


「スゥ…んっ…あ?誰だ貴様?」


「………。」


あっやべえええ…


起きちゃった!しかも目つきが悪いから!怖いよ!


「あの、まず腕を?離してくれませんか?」


「あ?ああ….すまねえ飲み過ぎちまったようだ」


やっと解放され、赤髪の鬼はクラクラしながら立ち上がった


たくさん飲んだな、この鬼


どうやらアル中らしい


「んで?人間がなぜここにいる?」


ヒィィっ威圧感半端ない


「足元を滑らせたら…落ちました」


嘘じゃない、事実だ


鬼は崖の上を見つめて、土崩れした後を見て嘘じゃないことを確認した


「ふん、…貴様、よくこの瘴気の中にいて平気だな」


普通の人間だったら倒れているぞ、と言いながら、立てずにいる私の前にしゃがみ、ジロジロと見てきた


…なんだろ、顔立ちは悪くないけどちょっといかついなこの鬼


私は目を逸らし、何も気にしていないフリをした


まさか取って食べられたりするのかな!?


「もしかして、あなたが酒呑童子?」


「そうだ」


すると酒呑童子は立ち上がり、鋭い目つきで私を見下ろした


「俺様の名は酒呑童子…俺様を知らぬ者など、この世にいない」



*訂正

友との再会→←酔っ払いの鬼



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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時

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