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貴方がいい ページ23

威圧感のある赤い角、眩しく輝く白銀の長髪

間違いなく茨木童子だ

見慣れた存在に安心した私は、走って近寄った

「ねえ、どうして急にどこかへ行ったの?」


「ああ…酒呑童子を見た気がして追いかけたのだが、違ったようだ」


顔を上げることなく淡々と話した


そんなに、大事な鬼なんだ…この鬼にとって酒呑童子は


何とか慰めようとしたその時


「フフフ…フハハハハ!さすが我が友!タダでは見つからぬということか、楽しませてくれる!」


そう言いまた高笑いした


…………ダメだこの鬼!


落ち込んでいる心配はどうやら無用なようだ


私はガクッと肩を落とした


「む?その羽は…」


茨木童子は私の手元にある黒い羽をじっと見た


「さっき大天狗に会ったの………っ」


名前を言い、思い浮かぶのは整った顔立ちに綺麗なクリーム色の短髪


心が落ち着く笛の音


そして…柔らかい唇

僅かに温度を感じた、あの感触


…っだめだめ!思い出しちゃ!


思わず自分の唇に触れる


初対面の人に…キスしちゃったんだ


しかも私のファーストキスが…


冷めた頰に再び熱が上がる


その様子に、茨木童子は首を傾げた


「顔が赤いぞ?…何かあったのか?」


茨木童子が私の顔を覗いてきた


「な、何もない!なかったよ!」


私はその金色の瞳を直視できず、目線をそらした


「ほう…」


茨木童子は私の行動が気に入らなかったのか、眉間にしわを寄せた


すると茨木童子の大きな左手が、私の両手首を簡単に捕まえた


「へ?」

自由を失った私の両手は抵抗できない


何で、拘束されてるの!?


私の両手を茨木童子の胸元へ引っ張られ、体もさらに茨木童子へと近づく

「いっ茨木童子?」

ど、どうしたの急に?


「あの雑兵と私…どちらの方が良い?」


「きゃっ!?」


茨木童子は私の耳元で低く呟いた


息が耳たぶにかかり、ゾクっと体が強張る


な、なんなの!?


突然の出来事に思考がついていけてなかった


「いっいば…!ちょ…と」


「それとも奴に骨を抜かれたか?」


「やっ、耳たぶに唇が…っ」


茨木童子は私の耳に唇を当てながら話したせいで、余計に顔が赤くなる


体に変な力が入り、立っているのがやっとだった


わ、わざとだ!絶対からかわれてる!


何でこんなことをしているのかわからないけど、私…大天狗や他の鬼がどんなに顔が整っていても

「…が良い」


「?」


「大天狗より、茨木童子が良い」

すみません!!!!→←異界の者



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設定タグ:陰陽師 , 茨木童子 , 大天狗   
作品ジャンル:恋愛
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時

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