笛の音 ページ20
私は裸足になって湖の浅い所に足をつけながら、鯉の精と話をしていた
「でね！私が住んでいる大きな池には、河童君がいるんだよ！とーっても優しいの！」
「そうなんだ…恋人？」
違うよ〜友達だよ！と照れ臭く言う鯉の精はとても可愛げがあった
話しているうちに、心理的マイナス部分が全くない女の子だとわかった
「〜〜〜♪」
すると、どこからか笛の音が樹木の間をすり抜けてここまで聞こえてきた
「綺麗な音…とーっても癒される…」
鯉の精は目を閉じ、聞こえてくる笛の音に耳を澄ました
私も注意深く、笛の音を聞く
「…あれ？私、この曲知ってる」
音の旋律、音程、リズムが、私の知っている曲と合致する
その曲は確か、私が小さい頃におばあちゃんから聞かされた歌だった
…そうか、この時代からずっと語り継がれてきたんだ
私は小さく息を吸い込み、歌詞を１つ１つ笛の音に合わせて、口に出した
「〜〜〜♪」
私の声が、笛の音と重なる
やがてそれは、そよ風に乗って共鳴するかのように森全体に響いた
私…この綺麗な笛の音が好きだ
一体誰が吹いているんだろう？
やがて曲は終わり、笛の音も止まった
森に静けさが戻る
「わぁ…Aちゃん歌すっごく上手だね！」
「ありがとう…！」
もし、元の世界に戻ったら、合唱部でも入部しようかな？
少し先のことを考えワクワクしていると突然、勢いが強い風が吹いた
「我が笛に歌を乗せたのは、そなたか？」
黒い大きな翼を羽ばたかせ、空から地へ着地した男
わぁ…イケメン…
クリーム色の髪の毛の短髪がよく似合う…多分、私と大して歳は変わらないと思う
「大天狗のおじさんだ…！」
「へ！？あの人が！？」
鯉の精が発した言葉に私は驚きを隠せなかった
顔が赤くない！？鼻が長くない！？
しかもイケメン…
「我が名は大天狗、そなたの名を聞かせてもらおう」
え、え！？
私は慌ててその場で立ち上がった
「A…です」
Aか、と大天狗は呟いた
「そなたの歌はなかなか美しい…気に入ったぞ」
大天狗は懐から横笛を取り出した
「我と再び曲を奏でよ」
「えっ！？」
大天狗は気にせず、笛をくわえ音を弾き始めた
何で妖って人の話を聞かないの！
私は諦め、笛の音に自分の声を重ねた
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです！ありがとうございます、頑張ります(*´∀｀*) (2017年10月9日 18時) (
レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますﾍ(*`∀´*)ﾉ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます！！！( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です！(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ！逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます！！ (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぐはまさ | 作成日時：2017年4月30日 19時
