人魚? ページ19
ポカンとしている私に構わず、茨木童子は答える
「鯉の精か。喧嘩などしておらん」
「え?そうなの?ならよかった!」
笑顔で水から飛びした彼女は、まるで人魚のように下半身が魚だった
そのまま宙を飛び、私たちの元へ近づいてきた
…空中で飛んでる!?
さも当たり前のように!何でもありなのこの世界は!
私は内心、天を仰いだ
「あれれ、初めましてかな〜?私は鯉の精だよ!」
「よ、よろしく…Aだよ」
鯉の精はフフッと笑い、私の周りをぐるっと回った
すると茨木童子は何かを思い出し、口を開いた
「鯉のせいよ、この辺りで酒呑童子を見かけなかったか?」
「んー…」
鯉の精は腕を組んだ
「ごめんなさい…見てないかも。でも、大天狗のおじさんなら見たよ!」
私は聞いたことのない言葉に首を傾げた
「おおてんぐ…?」
あの天狗?鼻が長い妖怪のことかな?
すると鯉の精がぐるりっと宙で回転した
「そうそう!顔が整っててとーってもかっこいいんだよ!しかも悪いことをしている鬼を退治してくれる優しい人なんだ!」
天狗の…顔が整っている、だと!?
私の中での天狗は鼻が長くて顔が真っ赤で…
この世界では鼻が長い=イケメンなのか
私は納得いかず、茨木童子の方を見る
「…?」
茨木童子は頭の上にクエスチョンマークを浮かべているような様子で、私を見つめ返した
…うん、茨木童子の方がかっこよくみえる
鼻が長い妖より、角が生えている妖の方がいい!
「なんだ女、1人で納得しているようだが…」
勝手に1人で自己完結している私を不思議そうに尋ねた
「鼻が長い大天狗より、茨木童子の方がかっこいいと思って」
「…!そうか…」
大天狗よりもかっこいいのか…と小さく呟いた茨木童子は、少し嬉しそうに見えた
悪魔でも少し、だけど
「Aちゃん…大天狗のおじさんは鼻は長くないよ」
「えっ!?」
それってどういうこと!?
1人で混乱していたら、茨木童子がバッと後ろを振り返った
「…女、ここで鯉の精とともにいろ。あとで迎えに行く」
そう言い、あっという間に私を置いてどこかへ行ってしまった
な、何よ突然…
待ってのまも言わせずに行くなんて
「茨木童子のおじさん、どうしたんだろう?」
鯉の精は首を傾げた
「…わからない」
私は内心のモヤモヤをかき消し、湖へと近づいた
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時