2人なら… ページ14
「…一体君は何を考えているんだ?」
諦めなのか呆れなのかわからない溜息をついたと思えば、顔の距離がぐいっと縮まる
ちっちか…!!!
目が合わせるのが億劫になるほど、なぜか私の心臓がバクバクと鼓動が早鳴る
「特に何も考えてないの、こんなこと言われたら迷惑かもしれないけど、茨木童子の手助けになりたいって…」
考えではなくて、"思い"
「そして知りたいの、茨木童子のこと」
知りたい、と思う
今目の前にいる鬼のことを
ふと目線が絡み合った
胸が、さらに苦しくなる
私だって、貴方が何を考えているのかわからないよ…
「私を知りたい、か」
ほう…と考えたと思えば、ニヤリッと口の端を上げて笑う
「君は私の何を知りたい?言ってみろ」
…上から目線なのは気にしない気にしない
私の知りたいことは______
「茨木童子の好きなもの!」
「……は?」
端正な顔がすっとぼけたアホらしい顔になった
「好きな食べ物とか好きな季節とか!」
「…………。なぜだ?」
息がかかりそうなほど近い距離
耳に低く響く声
不愉快ではない
むしろ、安心する
「なぜって…人が好きなことを私は知りたい、だって好きな物を言って嫌な気持ちにはそうそうならないでしょ?」
まあその人の好きなもの全部を言わせるわけではないけどさ、と付け加えた
「フハハハハ!君ほどおかしい人間は初めてだ。鬼のことを知りたいと言うとは…」
へ、変なことなの?
「え?知りたいと思っちゃだめ?」
やっぱり、もしかしてこれ変なことなの!?
あ、いや、と茨木童子は笑顔から困惑したような表情になった
この鬼はよく表情が変わるなあ、と思った
「その、良いんだ、知りたいと思っていい…」
茨木童子は何か言いたげに口をもごもごしたが、諦めたのか肩の力を脱力した
「…わかった、一緒に酒呑童子を捜そう。私のことはその時でいい」
茨木童子は大きな左手で私の頭をクシャクシャッと撫で、すぐスタスタと歩き始めた
つまり…
一緒にいても良いってことだよね!?
私は嬉しくなり、つい頰が緩む
そんな様子を見て、茨木童子はフッと笑った
「早く来い。置いていくぞ」
そう言い踵を返した
「今行きます!」
私は茨木童子のあとを追った
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時