鬼の力 ページ7
「フフフ…フハハハハハ!」
後ろから豪快な笑いが聞こえ、思わずビックリしてしまった
「雑魚には人間を食ってこの私を倒すだの、崖から落ちてきた弱小の女には守ると言われるわ…今日は愉快だ!」
げ、まさか私余計なスイッチを押してしまった…?
「あ、あの…茨木童子?」
「人間でしかも弱者のくせに他者を守ろうなど、愚かよ…しかしその姿勢」
茨木童子は口は笑っているが、目が殺意で溢れていた
てか、貶されてる?私貶されてるよね?
「君は友を惑わす女とは違うようだ…気に入った!」
すると、私と天邪鬼達の間に入ったと思えば左手に紫色に近い珠を浮かべた
それのとてつもない圧力が周りを圧倒する
その場にいる私は立っているのがやっとだった
「この茨木童子、力を貸そう」
来い、女と呼ばれた私は慌てて近寄る
何十センチとある身長差が余計目立った
体の緊張がさらに強まる
「しかと見ていろ。そして驚嘆せよ、私の力に______!」
左手に浮かんでいた珠を、天邪鬼達の足元に投げた途端、土埃が舞った
「ぎゃあああああ!」
天邪鬼達の悲鳴が轟く
「す、凄い…」
私のこの一言を聞き逃さず、茨木童子はフッと笑う
「私の友はこれ以上にもっと凄いぞ」
自慢気に話す茨木童子は、どうやらその友達をとても慕っているらしい
「茨木童子以上に強い鬼がいるの?」
想像できないや…
「ああ、いるとも。彼だけが、私の心を満たしてくれる…!」
はぁっと良い意味での溜息が出そうなぐらい、ウットリしている
先ほどの殺意むき出しの顔から想像できない表情だった
「ううっ…ぐっ」
薄くなった土埃から、倒れている天邪鬼達の姿が見えた
茨木童子は足の鈴を鳴らしながら近く
「ゆ、許してくれ〜!」
「もう2度と、雑魚の分際で私を倒そうだの思わないことだ!」
そう言い放つと、凄まじい妖気が天邪鬼達を遠くの彼方へ吹き飛ばす
「あっあ〜〜れ〜〜!」
…山に静けさが戻る
体の緊張が緩くなり、ペタンッとその場に座る
鬼に殺されかけ鬼に救われた
頭の中を整理するにはもう少し時間がかかりそうだったが、茨木童子は悪い鬼ではないことは確かだ
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はぐはまさ - 麻乃さん» そう言って頂けて嬉しいです!ありがとうございます、頑張ります(*´∀`*) (2017年10月9日 18時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - はぐはまささん» はぐはまささんの書かれる茨木童子かっこいいです、もっと読みたいです(*´-`*) これからも応援してますヘ(*`∀´*)ノ (2017年10月9日 17時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 麻乃さん» ありがとうございます!!!( ´ ▽ ` ) (2017年10月9日 17時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
麻乃(プロフ) - 更新お疲れ様です!(o´艸`) (2017年10月9日 13時) (レス) id: 66c6973d83 (このIDを非表示/違反報告)
はぐはまさ - 召使い丁さん» いえいえ!逆に確率アップじゃない時に出るなんて、凄いですね(°_°) ありがとうございます!! (2017年9月12日 8時) (レス) id: 1a4672ac58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐはまさ | 作成日時:2017年4月30日 19時