【陰陽師】女子高生と茨木童子

命の恩人(鬼)？ ページ5

地面まであと数メートルのところで、岩陰から何かが飛び出してきた







……あれ？






気が付いたら私は重力に逆らって、斜め上へ身体が移動していた








否、誰かによって抱きかかえられていた







きっとジャンプして空中で私をキャッチしてくれたのだろう








た、助かった…






心から安堵するのはたったの一瞬






視界に入るのは赤と黒の着物の上に頑丈そうな装備





右手の方の袖は無駄に長く、ボロボロ






私より長いだろう白い髪の毛





…………私のことを左手だけで抱えてる！？





力持ちすぎ！





私は顔を見上げた





するとそこには、立派な赤い角が





つの………





私から見て左の角は短いが、右の角は少し長かった






威圧を感じるほどの立派だ





…もう、わかってる




この人(?)も鬼だ





きっと着地した瞬間貪り食べられるのだろう





そう諦めていたら、







「感じたことのない気を辿ってきたら、人間ではないか」







喋った鬼と目が合う





そこには金色の瞳に、普通なら白目のところが黒かった





「…っ、わ、私を食べるの？」





すると、威圧感丸出しのこの鬼は豆鉄砲を食らったような顔をした






「…は？」





「私を食べたらバチ当たってお腹壊すからね！？知らないんだから！」





もうやけくそ





私はギュッと体を縮めた

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