【鬼滅の刃】えっ？これVRゲームじゃないの…？【男主】

足裏マット（ただし突起は刃物） ページ36

「足……刺さってますよ。痛くないんですか？」


この大惨事を見てなりふり構わず駆け寄ってくれたのは良いのだが、
彼の足裏には思いっきり破片が突き刺さっている。


確かに筋肉ムキムキで丈夫そうだが、まさか足裏まで鍛えているのだろうか？？
足裏マッサージとかされて真顔で済ますんだろうなこの人。

というか足の裏なんてどうやって鍛えるんだ。日頃からレゴでも踏んでおけばいいのか。



痛みを感じないのかと言う疑問五割、切れて血が出ていて大丈夫なのかという心配五割。


俺としては『おっと！刺さってたな、忘れてたぜ☆』みたいな感じで軽く済ませてもらって、
その場を離れてくれれば一番だったのだが……




俺の期待とは裏腹に、彼は驚いた様子で訊ねてくる。



「お前は、辛くないのか？痛くないのか？逃げ出したく、ならないのか？」

「なぁ……誰かに、頼ったことって、今まであったか……？」





「……こんなことで？」



俺だったらキレるぞ。うどんこぼしたから助けに家来てくんね？笑 とか言われたら。

あまつさえこれで救急車とか呼んでたら、もうそれは人間としてヤバすぎる。




首を傾げると、目の前の彼は絶句したようで呆然としていた。

……どんだけ福利厚生がすごかったんだ、彼の会社は……？？？

リアクション芸人ばりの反応に、俺は少し笑いながら言った。


「貴方は、優しい。貴方の周りもさぞ優しいんでしょうね。羨ましいな。」


もしかしてなのだが、職場って、以前治療をしてもらったあのお姉さんがいるところだろうか？

時透さんは大分若い方だと思うが、研修生みたいなものだと考えれば納得である。
鬼を狩る研修ってなんだって話なんだけど。


あんな美男美女に囲まれながらの労働であれば、多少忙しかったとしても全然余裕だな……

しかも彼の態度を見る限り、すごいホワイトっぽいし。



あ〜あ

「俺も、ここが居場所だったら」

会社に行かなくても済むのにな〜



何の気なしに呟いた。

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