動揺 ページ24
出した茶葉やお椀を軒並み片付けた後、不死川は溜息を吐いた。
自分と同じ境遇にありそうな 少年と出会い、助けられることなら助けたいと強く思った。
……しかし、それ故に感情ばかりが先走る。
少年自身の口から助けを求めて欲しかっただけなのに、
あそこまで恐縮させる必要はなかったな、と少しばかり反省をした。
気張りすぎたのか 肝心の少年は、涙を流した後 ぷつりと意識を飛ばしてしまっていた。
そのままこんこんと眠り続けて早数時間。
ここに着いた時はまだ 朝と昼の間の時間帯だったのに、もう空は暗闇に染まり切ってた。
「……」 自分の膝の上で 寝息を立てている少年を見て、不死川はまた溜息を漏らす
動けないな、と考えていると 後ろから音も無く忍び寄ってくる存在に気が付いた
「不死川さん、来てくれたんだ」
……来たな、元凶が。
「オイィ……」
「お前、待ってるって言ったよなァ？」
「？」
微妙な笑顔を浮かべたまま、無一郎は傾げる
……本当に忘れているのか定かではないが、
不死川からすると、どうしてもとぼけているようにしか聞こえない。
今日三度目の溜息。だが、どうせ言及することに意味なんてないのだ。もうやめた。
「それにしても、なんでこいつを引き取った？ 継子にでもすんのか？」
「……いえ、別に、そういう訳じゃないです。
丁度身寄りが分からない所で会ったから、保護しただけ。怪我もしてたし。」
「ふーん」
つっけんどんなその態度を 怪訝に思ったのも、言及しない。端から興味もないし。
眠る少年の腕や足に巻かれた包帯を巻き替える。
その途中で覗く、赤黒い引っ掻き傷。形容し難い痣。
「A、やっぱりボロボロだな……」
痛み止めを飲ませようと口を開かせる
「口の中……！酷い火傷してる」
「おいおい」
「きっと……誰かに酷いことをされたんだ。
何度も何度も口の中に無理矢理熱い湯を浴びせられた？そうじゃないと、こんな事には……！！！
＿＿＿＿クソッ、許せない、許せない」
「どうして、こんな事……ッ」
不死川は強く動揺していた。 「お前……」
時透がこんなにも激しく感情を上下させたところを 今まで見たことがなかったからだ。
許せないと 怒りをあらわにする姿。どうして、と目を伏せ哀哭する姿。
人間らしい感情。人間らしい表情。いつもぼーっとしている彼にも、こんな一面もあるのか、と驚きを感じていた。
更に、不死川が動揺しているのには理由がある
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奏(プロフ) - 初めまして。いつも見てたのですが、凄く面白くて好きです！続編解除待ってます！ (5月16日 23時) (
レス) id: 872e19f483 (このIDを非表示/違反報告)
リエ(プロフ) - パスワードが………欲しいです……！！！ (2023年4月17日 17時) (レス) @page39 id: 6383860d99 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - とても面白いです！パスワードかけられている方も頑張ってください！応援してます！！ (2023年3月5日 16時) (レス) id: 88503abfde (このIDを非表示/違反報告)
白梅 - VRの話、すっごい面白いです！続きがものすごく気になるのでパスワードが知りたいです！よろしくお願いします。 (2023年1月26日 11時) (レス) @page39 id: 004e6b577b (このIDを非表示/違反報告)
いおり(プロフ) - とってもドキドキして、続きが気になりまくりです……！！続編楽しみにしてます！ (2022年12月28日 20時) (レス) @page39 id: c0ee6ff83c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眠い。 | 作成日時：2019年11月7日 22時
