八方ブロック！ ページ22
出された茶を飲み干し、何がしたいの？という感情で 彼を見上げても、
「お、まだ飲みてぇのか」と全然違う解釈をされ、
だがそれを終ぞ断ることも出来ず、俺とこのヤクザ君の狂ったお茶会は遂に五杯目に到達した。
いくら熱かろうとも吐き出さなかった俺を褒めて欲しい。
俺、目上の人と茶道なんてしたことないからマナーなんて分かんないんだけど？
何か話したいのかと思いきや一言も喋んないし。しかもなんか穏やかな表情で俺を見つめてくるし。
俺の事をからかっているのだろうか……
何がしたいんですか？ と聞こうと思い切って口を開いた時、
このイカれた閉鎖空間は 先に喋った彼の言葉により壊された。
「オイ」 「へいッ！？」
はい、という返事と ひい、と言う情けない怯えの声が混じって
寿司屋みたいな返事をしてしまった。
だが彼はそんなことを気にした様子はなく、ただ一点だけを見つめながら続ける。
「その、顔」
「顔……？」
「それ、誰にやられた？」
指さされた頬付近をさすると、成程、確かに大きな布によって覆われていた。
よくよくみたら、と言うかよく見なくても彼はボロボロだ。
医者に診てもらいたいのだろうか、と推測し答えた……
「蝶屋敷の……しのぶさん、に、手当てをして頂きました」 「違ェよ」
んだけど違ったようだ。
ある意味違くねぇだろ！とキレつつ、軽く俯き唇を噛む。
下手に次間違えたら小指をエンコされてしまいかねない。怯えつつ言葉を待った。
「……俺が聞いたのは、誰に傷をつけられたのか、って事だァ。」
「これは、ころんだとき、自分で」
そう、鬼との追いかけっこの途中で 思いっきりすっ転んだ時のものだ。嘘は吐いていない。
のだが、彼は腑に落ちない様子で、俺の服を捲り上げた。
「背中、見せてみろ」
「(はい？もう見てんじゃん？)」
「ほら、傷が付いてる。そんなところに自分で付けられるわけネェよなァ？」
「ぃ、や、その……」
それは鬼のひっかき傷だが 頬のは自分でやったから違う、と訂正しようと思ったが
彼の鬼気迫る表情に下手に否定する言葉は呑みこまれた。
先生に怒られているときに、「言い訳しない！」と言われてしまう時のような心情だ。
自分で怪我しました も通用せず本当の事も言えない俺は、もう既に八方塞がり。
Ｈａｐｐｏ ｂｌｏｃｋａｇｅａｇｅだった。(？)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 260人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏(プロフ) - 初めまして。いつも見てたのですが、凄く面白くて好きです！続編解除待ってます！ (5月16日 23時) (
レス) id: 872e19f483 (このIDを非表示/違反報告)
リエ(プロフ) - パスワードが………欲しいです……！！！ (2023年4月17日 17時) (レス) @page39 id: 6383860d99 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - とても面白いです！パスワードかけられている方も頑張ってください！応援してます！！ (2023年3月5日 16時) (レス) id: 88503abfde (このIDを非表示/違反報告)
白梅 - VRの話、すっごい面白いです！続きがものすごく気になるのでパスワードが知りたいです！よろしくお願いします。 (2023年1月26日 11時) (レス) @page39 id: 004e6b577b (このIDを非表示/違反報告)
いおり(プロフ) - とってもドキドキして、続きが気になりまくりです……！！続編楽しみにしてます！ (2022年12月28日 20時) (レス) @page39 id: c0ee6ff83c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眠い。 | 作成日時：2019年11月7日 22時
