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「昼」 ページ4

A視点

ネズミ「お、Aじゃねーか!」
「ネズミ。やっほ〜」

部屋の掃除を終え、夕飯の買い物している途中ネズミに会った。良かった…彼から会いに来てくれて
心の中でそっとニヤけながら、2人で話す
この前の村の事、最近の仕事、ゲゲ郎さん達や水木君のことなど淡々と話す

ネズミ「あのお嬢様の恋はどっちみち叶わなかったんだな」
「嗚呼…沙代さんね」
ネズミ「可哀想とは思わないのかい?アンタ」
「思ってるよ。叶うと思っていたさ」
ネズミ「ほんとかよ」
「本当だよ。きっと、水木君の記憶が一部始終残っていたら僕は付き合えなかったよ」

ふと、僕と同じ水木君を好きだった沙代さんのことを思い出す。今思えば、一途で可愛らしくて可哀想な少女だった
水木君の村で過ごした記憶は、ところどころ消えている
時弥、丙江、孝三、時麿、沙代さん達のことなんて一切覚えていない。あのクールな性格だと、思い出そうとしないだろうしな

ネズミ「不幸中の幸いってやつか?」
「そうだね。彼はある意味ドライな性格だから思い出そうなんてこと、考えないさ」
ネズミ「そう言って、御前は思い出したらどうすんだよ?」
「…水木君を殺して、僕も死んじゃうかも」
ネズミ「こえーこえー!」
「あはは、冗談だよ…まだ」

ネズミの話に本気で悩んでしまう。水木君があのことを全て思い出したら?…殺しちゃうかも
やっと手に入れた大切な幸せだ
誰にも奪わせないし、奪われたくない。手放さない
なんて半ば本気で考えながら、するっと頭を撫でる

ネズミ「嫉妬されちまうかもな、兄ちゃんに!」
「嫉妬してくれたら嬉しいね。けど、水木君はそんなタイプじゃないよ」
ネズミ「どうだろうなァ。中々、あの兄ちゃん物騒だぜ」
「それは知ってる。僕が、襲われそうになった時斧を振り回してたからね」
ネズミ「俺の命を脅かすなよっ!!」

そうすると、嬉しそうにケラケラ笑うネズミ。彼の冗談にいつかの日にキレたことがあるのに、懲りないのか冗談をまたひとつ吐いた
ので、僕も冗談というより嘘で返す。と、逃げ出してしまい暗闇に消えた

「暇になっちゃった…まぁ、いいや。じゃがいもとかなんか野菜でも買って帰ろう
「水木君、野菜好きだったっけ…
「まぁ、いっか。彼、出されたらなんでも食べるようなバカ真面目だし」

ブツブツと呟きながら、ポンポンと野菜をカゴに入れ、ついでにちょいとお高めなお肉を入れる。そしてまたついでに煮漬けを作りたかったので、貴重なお魚も少し

「人魚なんてなかなか手に入らないよなぁ」

「煮込む」→←「暇」



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作者名:souta | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mei0424mei  
作成日時:2024年1月9日 18時

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