【水木】君は完璧なはず【ゲゲゲの謎】 (ページ17)

今日:6 hit、昨日:61 hit、合計:6,374 hit

「視線の重さ」ページ17

水木視点

「此処は衆合地獄。まずは見学許可を取りに、牛頭と馬頭に会いに行こうか」
ゲゲ郎「ふむ…牛頭殿と馬頭殿に会うのは久しぶりじゃの」

ゲゲ郎と合流した。どうや。岩子さん達は旅館で休んでいるらしい
ちなみに恐ろしい針山を背景に、微笑む俺の恋人のA
いつもなら耳に残るコイツの綺麗な声は、今日は罪人たちの叫び声と共に消えていくだけ

『その牛頭と馬頭ってなんなんだ？』
ゲゲ郎「簡単に言えば、獄卒じゃよ」
「人間界でも有名でしょう？牛頭人身の鬼と馬頭人身の鬼と語られている2人のことは」
『、聞いた事ねぇな』
「かなり有名だと思ったんだけど…」
ゲゲ郎「ちなみに、ワシらと一緒に百鬼夜行にも出ておるぞ」

小さく、何処か不安気な手でギュッと握られている俺の手。力加減をしながら、優しく握り返した
ぽろっと疑問を呟けば、宝石のような赤い瞳で俺を真っ直ぐ見つめてにこやかに話すA。ゲゲ郎とゴズとメズ？について話をしてくれるが、全く頭に入ってこない

「あの時はまだ、人馴れしてなかったから少し…やんちゃをしていましたね」
ゲゲ郎「そうじゃのう、岩子にも怒られたわい。人間を傷付けてはいかぬ、とな」
「岩子さんは慈悲深い方ですよね。いつも、お優しいでした」
ゲゲ郎「そこが我が妻の良いところじゃった」

瞳。レッドダイヤモンドのような、はたまたガーネットのような宝石のような瞳でジッと俺を射抜く
その所為で話は全然頭の中に入ってこないし、Aから目を離せない。何故か見蕩れていた
動けなかった、怖かった、？
こんなんじゃ、まるで

───まるで、

「…まるで、蛇に睨まれた蛙」
『！？』
「ふふ、いきなり立ち止まって、ぼぅっとこっちを見ているから心配したよ。その様子じゃ牛頭と馬頭の話から聞いてなかったようだね」
『ぁ、わ、悪い』
ゲゲ郎「お主ら、本当に熱いのぉ」

その思考を見抜き、口を動かしたA。揶揄うように俺の頬に手を滑らせて、先程とは違う…嘲笑うかのような微笑みを見せた
それにまた、ドキドキした

「茶番は、ここまでにして行きましょうか。待たせては悪いですし」
ゲゲ郎「牛頭殿と違い、馬頭殿は血の気の多いやつじゃからの」
『そんな怖いやつなのかよ』

顔に籠る熱を感じながら、チラッと見つめ返すと目を細めたあと逸らされた。そしてスタスタと前に行き、地獄の案内ツアーが再開した
ゲゲ郎から聞いたところによると、牛頭と馬頭は怖い？らしい

「怖くないよ。それに大丈夫、水木君は僕が守るから」
ゲゲ郎「ワシのこともよろしくのう」
「ゲゲ郎さんは守られなくとも、自分で対処出来ますよね」