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「おはよう」 ページ13

A視点

ボッーとしていた水木君は僕の項を噛むと、ニヤニヤと笑った。それに少し揶揄いたいと思い、耳元で息をふきかけながら話す
と、予想以上に反応が良く、顔を真っ赤にしてダッダッダッと勢いをつけて出ていってしまった

「揶揄いすぎたかな。どう思う?」
ネズミ「なんだよ、分かってたのかよ!」
「最初からね。水木君、怖がるかなって思って言わなかったけど…どうしたの?」
ネズミ「イヤー、Aの父ちゃんからお届け物が来てよぉ」
「働いてるんだ」
ネズミ「そうそう、これ1枚を届けるには意外にいい値だったんだ」

彼の足音が遠のき、シーンとなった部屋。起きていた時から感じていた視線の原因に話しかければ、驚いたように窓から部屋に入ってきた
原因はネズミだ
どうやら僕にお父様からのお届けものがあるらしく、白い封筒を2枚渡される

「へぇ…ようやくまともな職に就いたんだ」
ネズミ「んだよ、そのいーかた!」
「なんでもないよ。さ、なんの手紙かなぁ」

1枚目と2枚目の封筒を開けて、中身を出す。2枚もあるなんて珍しく、内容が気になったので処理を放って、読もうとベッドに座る
隣にネズミが座ろうとしないので、引っ張って膝に座らせて2人で読む

「拝啓、愛しき貴方へって、…これ、本当にお父様からの?間違ってない?」
ネズミ「あー…そういや、お見合い相手からの手紙だっつってたな」
「僕には水木君が居るって言ったのになぁ」
ネズミ「読まねーのか?」
「手紙を書いてくれた相手に悪いし、最後まで読むよ」

少し抵抗はしたが、ちょっとすれば大人しくなるネズミ。手紙の書き出しは、「拝啓、愛しき貴方へ」であり、内容は僕への愛が沢山書いてあった
最後の文は「もうすぐ貴方のお嫁に行く八尺より」
どうやら、相手はかの有名な八尺様らしいのだが僕には水木君が居るので断らなきゃ行けない
お父様には水木君がいるって言ったのになぁ

ネズミ「断るのか?こんなに顔もいいのによォ」
「何回も言うけど、僕には水木君がいるんだ。彼女には悪いけど断るつもりさ」
ネズミ「ふーん…まぁまぁ、顔見てみろよ」
「随分可愛らしい顔しているとは思うけど好みでは無いかな。それに世の中顔だけじゃないよ」
ネズミ「地位もあるぜ?」
「自分で言うのはあれだけど…僕もあるから関係ないよ」

ネズミは何故か、お父様側だが彼の意見を無視して我を突き通す。何がなんでも、僕は水木君以外考えられないのだ
それが例え、残酷な結果になっても僕は幸せだと思えるだろう

水木「A、取ってきたぞって…?!」
「ありがとう、水木君」
ネズミ「お邪魔してますぜ、兄さん!」

「君よりも」→←「後処理」



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作者名:souta | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=mei0424mei  
作成日時:2024年1月9日 18時

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