【浦島坂田船】所詮、化物と人間 (ページ10)

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9話ページ10

『はぁ…』

廊下ででかい溜息をつく。やまだぬきちゃんはうらたさんとやる事あるみたいだから呼べないし…

坂田「元気無さそうやけどいける？」

『び、びっくりした…』

坂田「ごめんな！通ってたらAが溜息ついてたから！！」

箒に乗っていた坂田さんは箒から降りてポケットから何かを出した。

坂田「これチョコレート！！甘いの好き？」

『好きです。』

坂田「じゃああげる！」

『ありがとうございます…』

坂田「何か悩んでるなら話聞くで？」

坂田さんに言うならいいかな…？

『さっき、センラさんが写真を見て悲しそうにしてたんです。私が相談ならって言ったら突き放されて…お節介でしたかね？』

坂田「…あぁ、多分その写真昔に居った女の子やと思うわ。俺達その子が大好きやったからさ、特にセンラマンは。」

『そうなんですね…その子は？』

坂田「もうとっくの昔に亡くなってるねん。俺達の事大嫌いな奴らがセンラマンに襲い掛かってそれをその子が庇ってな。」

『…。』

坂田「それをセンラマンは自分のせいやって思ってて…その事はあまり触れたらんといてな。」

『…分かりました。』

坂田「あ！そうや！Aに見せたいのがあんねん！来て！！」

坂田さんに手を引かれ坂田さんの部屋に着いた。何をするんだろ？

坂田「見といてな！！」

魔法陣の真ん中に坂田さんが立って何か呪文を唱える。すると上から綺麗な花弁が降ってきた。

『綺麗…』

坂田「やろ！この魔法簡単そうに見えてめっちゃ難しくてな、ようやく成功してん！見せれて良かった！」

『坂田さん、ありがとうございます。元気をくれようとしたんですよね？』

坂田「だって、A辛い顔しかしてへんもん…俺笑わせてあげるって言ったのに笑わせてあげれてへん…」

『そんなに気にしないでください。坂田さんには十分笑顔を貰ってます。』

坂田「ほんまに？」

『はい。』

坂田「良かった…」

坂田さんはホッとしたように笑った。坂田さんまで辛い顔をして欲しくない。

『もうこんな時間…お風呂入って来ますね。』

坂田「はーい！行ってらっしゃい！！」