果てはないと笑うゆめをみた ページ1
「――夢のなか、漂った
気難しい
「千代に八千代に、あなたと
あなたの一等 近くに、咲き誇りましょう。小振りで薄色の。視界に入れても決して邪険に思われぬような。ただ、枯れることのない花に。
「おまえはならん。おまえだけは、
――A、逝ってはならぬ。
女の独り言だったそれに、初めてそれらしい反応が返った。それは悲願にも似た響きをもって、Aの遠くなった鼓膜を揺らした。
男の武骨な手が、幾重にも散らばった女の髪を撫ぜる。時折 掬いあげた
「散りぬべき時を知りてこそ。花は花なれ。人は人なれにございます。さすれば神は、慈悲を下さるやも知れません」
「
「ふふ、
「……宿儺さま。もう、その頃にございます」
あなたと
「逝くな、A。逝くな」
そう切なげに名前を呼ばないで。あなたに与えられたこの名が、縛りとなって残留してしまわぬように。
「――久遠に、お慕い申し上げております。一足先に立つご無礼を、お許しくださいな」
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作者名:百合郷 | 作成日時:2021年6月19日 4時