過干渉02 ページ10
「———
薄れそうになる意識を必死に保ちながら、Aはふとイフリートを見つめた。
そして、Aは自然と浮かんだその言葉を声に乗せる。
「———
その瞬間、A自身だけが取り残され、だんだん時間が巻き戻っていく。
イフリートのタバコがワイシャツの胸ポケットに入っているところまで巻き戻ると一時停止のボタンを押したように映像はそこで止まった。
そしてタバコに触れるイメージを膨らませる。
タバコの形、匂い、大きさ、質感…細かくイメージするといつの間にかタバコを握っていた。
「あれ……僕のタバコは……?」
「タバコの吸いすぎは体に良くないですよ……イフリート先生」
———パチッ
目を覚ますとそこはベッドの上だった。
久しぶりに味わうふかふかの寝心地のいいベッドに瞼が重くなる。
「…い、たぁ……」
起きあがろうとするが、身体に残る痛みが邪魔して動けない。
「お…起きた?
回復魔術はかけてるけど動かないでねAさん」
「イフリート先生……」
イフリートはまだつけたばかりであろう長いタバコの火を消して、携帯灰皿に放り込み、座っていた椅子から少し腰を浮かすと乱れた掛け布団を整えてAの肩までかけた。
「旦那さま……いえ、リシチ公は……」
「帰ったよ。もう来ないってさ」
「え?」
「もう教えることはないって言ってたけど…
未来予知ができるってことは僕も知ってたけど…"
過去まで変えられるって、グレモリー家の家系能力強すぎない?」
「どうでしょうか…いろいろ制限はあるかと……能力を使うイメージは掴めましたが…研究が必要だと思います」
「なるほど…だったら少しずつ調べていこう。僕は君の警備の為に此処にいるけど、特別講師でもあるからね」
「そういえばイフリート先生は学校警備教師…でしたね…」
「職員室でたまに見るくらいの僕のこと知ってくれてるの?」
"嬉しいな"と子どものように笑うイフリートは再び口を開いて続けた。
「まあ、メインで教えるのは炎の使い方かな?僕は炎専門の家系でね。
そうだな〜…まずは"軽く"君のお兄さんを超える炎の使い手にでもなってもらおうかな?」
冗談ぽく笑うイフリートを見て、Aは安心したようにクスリと笑い口を開いた。
「それは今までより厳しそうです」
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あまね(プロフ) - 終わっちゃった?!?れ (12月23日 11時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです!! (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ?さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……!!アズ君は本当に一目惚れでした……!ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます!!ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです!! (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです!更新楽しみにしています! (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田山本 | 作成日時:2022年12月19日 17時