虎と馬03 ページ33
それは、Aが干渉した部分の記憶がひどく曖昧になる事だ。
それは“変えられた”というよりは“切り取られた”という方が近い感覚だった。
そのため、Aが過去に干渉して意図していない現状に陥ると僅かな綻びが生まれる。
しかし、気のせいではないと認知して動き出そうとしている者が、一部の教師の中にいた。
「ダリ先生…!
至急救護班の準備を…それとカルエゴ卿と、バラム先生は出動を……中継魔を使ってAさんを探してください!!
おそらくAさんの能力が暴走しています」
イフリートは通信鬼で焦りながらも要件のみを簡潔に述べた。
ダリは通信鬼の向こう側で、そばにいるカルエゴとバラムに手でサインを送ると2人は足早にその場を後にする。
——イフリート先生、状況を詳しく報告してください。
「Aさんが時に干渉した際に感じる違和感が次第に大きくなっています…おそらく、
そして、Aさんが干渉できる範囲と時間は限られている……
にも関わらずこの広範囲での影響を考えると、これは………
悪周期の暴走」
——………
しばらくの沈黙が続いた後、がさりと音を立てて通信鬼から再び声がした。
——わかりました。
ここはカルエゴ先生、バラム先生、ムルムル先生、そしてイフリート先生で迅速に対処します。
いいですね?
「はっ…!!」
———
「いきなり場所が移動するし、気づいたら意図しない行動をとっている…無傷で持ち帰るのは無理そうですねぇ……」
身を守るように自身を抱きしめて、ひたすら震えるAを見て、ニヤリと笑うオチョの口から黒い歯が覗く。
そして、同時に自身の空腹を刺激するAにひどく好奇心を刺激されていた。
「仕方がない…これは彼女の動きを止めるために仕方なく…
そう、これは仕方なく…
腕1本食べてしまおう
バール様も許してくれる…」
どんな味がするのだろう。
そう思うと涎が止まらない。
オチョはじりりと一歩、また一歩と近づいた。
その時——…
「Aさん…!!」
Aを呼ぶ声にオチョは舌打ちをしてその場を去った。
423人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - 終わっちゃった?!?れ (12月23日 11時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです!! (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ?さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……!!アズ君は本当に一目惚れでした……!ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます!!ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです!! (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです!更新楽しみにしています! (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:山田山本 | 作成日時:2022年12月19日 17時