初日の夜02 ページ26
——— 僕はあの子を
無意識に誰かを助けようとする彼女にはピッタリだったかもしれない。
そんな事を思いながら、その稀有な存在に悪魔の好奇心が駆り立てられる。
「そうかそうか!まあ、助かったよ!
幻覚系は自分で助けを呼べない生徒が多いからね!
でも………」
ムルムルは笑いながら消し炭になったツルを見た。
「これは跡形もなさすぎてポイントにならないかな」
「やはり魔植物は炎と相性が良すぎて加減が難しいです…次は魔獣と出会いたいです…」
がくんと肩を落とすAはいまだ0ポイントにも関わらず、ムルムルはどうしてもこの言葉を贈らずにはいられなかった。
「頑張ってね、期待してるよ」
Aの後ろ姿が見えなくなるまで見守っていたムルムルにイポスは不機嫌そうに"サボるなよ"と声をかけた。
「ごめんごめん」
そう言いながら軽々とリタイアした生徒たちを
「機嫌いいな。さっきの生徒エイトの弟子だろ?お気に入り?」
「エイトのな」
「お前も相当気に入っているみたいだけど」
———
特別講師たちは収穫祭本部横にテントを立て、自らが育て上げた弟子たちがどれほど優れているかで盛り上がっていた。
「1日目の夜の時点で0P!あの組はダメネ!」
フルフルが呆れたように指差す先には呑気に恋バナをして盛り上がる入間とリードの映像が流れていた。
「ザッケンなテメェ!!ウチのイルマなめんじゃねぇぞ!!」
たまらずバチコはフルフルの胸ぐらを掴んで叫んだ。
“いいネ、いいネ”と笑いながら酒を交わす中、映像が切り替わる。
「おっと、もう1人いまだ0Pの悪魔いたネ」
フルフルの声に、全員が画面の映像に注目すると、消し炭になったツルの中から現れた生徒に駆け寄り心配そうに体を揺さぶるAの姿が映っていた。
「ははっ!!収穫祭で他者の心配なんて危機感なさすぎネ!!そんな事してたら足元すくわれるヨ!!」
「幻覚ツルも炭になっちゃったし、食材として認められないわね〜」
ライムは“あらあら”と頬に手を当てて言った。
「それでも期待しちゃうよネ、なんたって彼女は……
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あまね(プロフ) - 終わっちゃった?!?れ (12月23日 11時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです!! (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ?さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……!!アズ君は本当に一目惚れでした……!ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます!!ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです!! (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです!更新楽しみにしています! (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田山本 | 作成日時:2022年12月19日 17時