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初日の夜01 ページ25

「あいつ…一体何をしているんだ……」
「行くなよ」

ダリの中継を聞いて、呆れたように呟くアリスに釘を刺すようにサブノックが言った。

「行かんわ!貴様も特訓後のAを見ただろう。あいつなら大丈夫だ」

「変わったな」

「まあ、もともと魔力量は目を見張るものがあったからな」

「A女史の事ではない。
何かあればA女史か、入間の事しか頭になかったヌシがえらい変わりようだと思ってな」


「……Aはもともと貴様らが思っている程弱い悪魔ではない…それは我が家で引き取った時から魔術や知識を教えてきた私が一番わかっている。
だが不思議なものだな…どれだけあいつが成長しても心配は尽きない…」


「妹とはそういうものだろう。と言ってもヌシの場合は妹としてではないかもしれんがな」

「妹…か………」


心なしか切なげに聞こえるアリスの声は、見上げた空に消えていった。










———パチリ

夕方ごろ。日暮れ前にAは目を覚ました。

ふわりと木から飛び降りると、"んー"っと背伸びをし、甘えてくるカーバンクルの頭を撫でて、"ありがとう"と呟くとその姿を消した。

そして、ふぅと息を吐いて耳を澄ます。

「日暮ごろになると魔獣も活発になるし、悲鳴で場所も分かりやすいですね…」


悲鳴がする方に向かうと、ダンゴ状に絡まったツルが無数に転がっており、中から“フフフ…”と笑い声が聞こえてきた。

Aは手のひらに炎を灯し息を吹きかけると、炎の花びらが舞い散った。
特訓でコントロールを身につけたAは指揮者のように手を動かすと、花びらはまるで生き物のように動き出し、ツルのみに牙を向く。

外側だけを焼くように、イメージを膨らますと炭と化したツルがパラパラと跡形も無く土に還り、その中から生徒が出てきた。

「みなさん大丈夫ですか!?」

ツルの幻覚にやられ、幸せそうな笑みを浮かべている生徒の体を強めに揺らす。






「………あれ、Aさん?」

「ムルムル先生!」

「Aさんが助けてくれたの?」

「ポイントのついでですが………
悲鳴がする場所に必ず魔獣がいるだろうし、救助もできると思って…」

誰もが優勝を狙い、生き延びる事だけを考えている中、他者の事を考えながらこの収穫祭に挑んでいる者がいるとは。
ムルムルは少し驚き目を見開くと、イフリートが言っていた言葉を思い出す。

初日の夜02→←魔の手



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あまね(プロフ) - 終わっちゃった?!?れ (12月23日 11時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです!!  (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ?さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……!!アズ君は本当に一目惚れでした……!ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます!!ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです!! (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです!更新楽しみにしています! (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田山本 | 作成日時:2022年12月19日 17時

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