魔の手 ページ24
いよいよ始まった収穫祭。
ある物は武力で、ある者は知力で、ある者は魅力、ある者は統率力で、
それぞれが特訓で培った力を発揮し、問題児クラスは着々とポイントを手に入れていった。
Aはというと———…
——目まぐるしい活躍を見せる問題児クラス!
おっと!木の上にいるのはAさんですかね?カメラさ〜ん!寄って寄って!!
ダリの実況が響きわたり、中継魔がぐっとAに近づく。
——え、えっと……
二度見をするダリは紛れもないその事実を告げた。
——寝ています!!開始早々すやすやと寝ています!!
案の定Aさん、狙われていますが大丈夫でしょうか!!
Aの姿に気づき、複数の男子生徒が近づいてきた。
——念のためですが危害を加えた瞬間失格ですよ!
そんな声にも耳も貸さず、男子生徒たちは何かが通じ合ったかのように互いを見て、穏やかな顔で頷き口を開いた。
「ここで失格になっても悔いはない!!!」
男子生徒は"そうだそうだ"と言いながら興奮気味に頬を赤らめ、バサリと翼を広げてAが眠る木の上に向かおうとしていた。
———収穫祭本部
——おっと!!Aさんに魔の手が迫っている!!!
このまま良い子には見せられない状況になってしまうのか!?!?
ダリはそう言うとマイクのスイッチを切った。
「大丈夫かな…Aさん…まさかこのまま…」
「あー!バラム先生、今けしからん事想像したでしょー!」
「僕は心配してるだけで……!」
心配そうなバラムと面白がっているダリの横でカルエゴは"ふんっ"と鼻を鳴らすと口を開いた。
「こんな所で躓くくらいならむしろ"
その時、映像からグルルと獣の鳴き声が響き渡り、それを見たダリは楽しそうに再びマイクのスイッチをつけた。
——あれはAさんの使い魔!"赤い宝石"カーバンクルだ!!!!!
どうやら護衛のために召喚していたようです!!!
カーバンクルのルビーのような赤い瞳が煌めく。
真っ白な美しい毛並みと兎のように長い耳を持ち、愛くるしい顔立ちは一見無害に見えるが、サブノックでも軽々とその背に乗せてしまいそうな程の大きさに男子生徒が後ずさる。
そして、とどめを指すかように、ドラゴンのように太く長い尾を地面に叩きつけて威嚇をした。
——男子生徒が逃げていきます!!
欲に真っ直ぐなのはいい事ですが、さっきの男子生徒は後でお説教です!!
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あまね(プロフ) - 終わっちゃった?!?れ (12月23日 11時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです!! (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ?さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……!!アズ君は本当に一目惚れでした……!ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます!!ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです!! (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです!更新楽しみにしています! (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田山本 | 作成日時:2022年12月19日 17時