本能の残花03 ページ3
「Aは
カルエゴは深海のように深く低い声で言った。
そのカルエゴの後ろにはバチバチと金色の火花を放ち、今にも噛みつこうとするケルベロスがリシチに鋭い牙を向けていた。
周りを見ると、沈黙を守る特別講師の中、バビルスの教師だけは例外で、バラムとライムも戦闘体制で様子を窺っていた。
「流石に複数のハイランク悪魔を相手にするのは疲れる」
そう言ったものの、リシチの感情が揺らぐ様子はなく、その態度は“疲れる”が倒せなくもない。そう言っているようだった。
リシチがパッと手の力を抜くと、Aの身体は力なくどさりと地面に落ちて、首を押さえて必死に酸素を取り込んだ。
「A！大丈夫か…！？」
Aは駆け寄ろうとするアリスに手のひらをかざして止めた。
はじめて味わう恐怖。
身体と感情が噛み合わない違和感。
その全てが久しく忘れていた自身が転生者である事を思い出させた。
自身の感情とは別に、心臓が否が応でも高鳴り、冷や汗で指先が凍る。
そして、ポタリ…ポタリ…と首筋から流れる血が地面に落ちる。
Aは落ち着けと言い聞かせながら、その一定のリズムで地面に落ちる血に合わせて呼吸をした。
吸って、
吐いて、
落ち着きを取り戻したAは“ふっ”と小さく笑った。
今まで一度も感情を表に出すことのなかったリシチはそれに気づき、ほんの一瞬眉をピクリと動かした。
A自身もそれに気づいていた。
力無く立ち上がるが、Aの目は真っ直ぐにリシチを見た。
そしてAは震える手でスカートの裾を持ち上げふわりとお辞儀をした。
「旦那さま……いえ………ごきげんよう、リシチ公」
「なんの真似だ」
「アスモデウス家の悪魔は礼節を重んじる悪魔…
なので、ご挨拶をと思いまして」
そう言って、Aはにっこりと笑って続けた。
「リシチ公ほどの力のある悪魔であれば、私なんてすぐに殺せたはず……私を生かしていたのにはそれなりの使い道があったからでは？」
「貴様が私に交渉など1000年はやい」
再びリシチが手をかざした瞬間だった。
「リーくん！久しぶり〜！！カトレアちゃんの葬式以来かな〜？」
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あまね(プロフ) - 終わっちゃった？！？れ (12月23日 11時) (
レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです！！ (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ？さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……！！アズ君は本当に一目惚れでした……！ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます！！ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです！！ (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです！更新楽しみにしています！ (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田山本 | 作成日時：2022年12月19日 17時
