ジュエル02 ページ18
柔らかなムルムルの雰囲気が凍るのを感じ、Aはビクリと肩を震わせた。
「そもそも、寿命で死んだとしてAさんは寿命を延ばすイメージできるの?
病死だって、それには相当な医療知識が必要なはず。
そんなところまでイメージ力高めてたら脳みそがいくつあっても足りないよ?」
「ですよね…」
「可能性があるなら事故死の場合だけど、干渉した対象の状況が、本来の状況とギャップがあればあるだけ君の魔力は消費される。
誰もが抗えない死に直接干渉するなんて魔力を全部使い切っても足りないだろうね」
「でも、ウォルターパークの時はたくさんの人が亡くなる未来を見ました…」
「それは見ただけで、助けるために動いたのは君自身。干渉はしていないはずだ。
もし、未来に干渉して助けてたら君は今ここにはいないかもね」
睨むような、そして釘を刺すようなムルムルの鋭い瞳にAは捉えられ動けずにいると、隣に座っていたイフリートがムルムルのつま先を踏んだ。
「いった!何すんの!」
「怖がらせない」
「あーごめん。そんなつもりはなかったんだ」
恐怖の色に変わるAにあわてて謝ると、“大丈夫です”と笑いながも不安の紫が混ざり、眩しいほど輝いていた白色が暗く濁っていくのを感じ、さらに頭を抱えた。
ムルムルがどうしたものか悩んでいると、とある情報が脳裏に浮かぶ。
(まだ何かあるのか……?)
「ムルムル先生!?」
Aは慌てた様子でテーブルに身を乗り出して、ムルムルに近づいた。
「え…うわっ!やばっ!!」
集中していたムルムルはAの声でやっと鼻から伝う血の感覚に気づいた。
「大丈夫ですか!?鼻から血が……」
「あー大丈夫大丈夫」
軽く笑いながら手で鼻を抑えると、回復魔術で跡形もなく治してしまった。
「
今日の詳細はまとめて、エイト…イフリート先生に渡しておくから、後でAさんも見せてもらって」
その時、時計の鐘の音が日付が変わったことを知らせた。
イフリートは"さてと"と言って立ち上がる。
"そろそろ寝るのか”そんな事を考えていたムルムルの期待を裏切るようにイフリートは口を開いた。
「じゃあ、そろそろ実技第3ラウンドといこうか。Aさん」
「まだするの!?」
「当たり前でしょ?Aさんは先に行ってて」
イフリートはAが部屋から出るのを見守るとそっと魔術をかけた。
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あまね(プロフ) - 終わっちゃった?!?れ (12月23日 11時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです!! (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ?さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……!!アズ君は本当に一目惚れでした……!ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます!!ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです!! (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです!更新楽しみにしています! (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山田山本 | 作成日時:2022年12月19日 17時