箱庭の特訓02 ページ16
「何言ってるんですか！今のは絶対に使うタイミングでした！！！」
軌道が変わった事で、壁に大きな穴を開けたその状況を見てAは咄嗟に叫んだ。
「まあ、油断して一撃もらっちゃったし？ちょっと"休憩"しようか」
「きゅ…"休憩"ですか…」
"休憩"と聞いて僅かにAの顔が引きつるのを見て、ムルムルは首を傾げた。
———教師寮・共用スペース
共用スペースの大きなテレビには、映画のエンドロールが流れていた。
Aはテレビの前のソファにクッションを抱きしめながらちょこんと座り、"Fin"と表示されるのを見守ると、鼻をすすって泣きじゃくった。
「ううっ…拷問の歴史にこんな感動があったなんて知りませんでしたー！！」
「だよね！だよね！Aさんもそう思うよね！！」
Aの隣で映画を見ていたマルバスは、そう言って指の腹で涙を拭い"はい、ティッシュ"と言ってAに差し出した。
「ありがとうございます…」
嫌な顔をしていたAを見て、どうせ何かの特訓だろうと思っていたムルムルは今までの緊迫した雰囲気の特訓とは違うその状況についていけずにいた。
ムルムルはソファの背もたれから体を乗り出して、Aのもう一方の隣に座って一緒に映画を見ていたイフリートに問いかけた。
「本当に休憩だったの？」
「まさか」
"ふふっ"と笑い、手に持っていたタバコを口に運び、煙を吐くと再び口を開いた。
「彼女の家系能力はイメージ力が重要みたいでね。
どうやら事細かくイメージしないといけないみたいなんだよね」
「…じゃあ、これはそのイメージ力を鍛えるための特訓？」
「そういうこと」
楽しそうなイフリートとは対照的にAの顔には疲れが見えていた。
「実技の特訓と、鑑賞会の繰り返しです……今のは面白かったので良かったですが…
はずれを引くとついつい眠くなってしまい……でも寝たら…」
「寝たら？」
「イフリート先生から火球が飛んできます」
「容赦な！！」
「そりゃあ、そうでしょ。
そもそもこれはイメージ力向上の特訓だよ？頭を使いながら観てたら寝たりしないよね？」
「言い返せません…」
「Aさんの家系能力は不明確なところが多いからね。
わかってる所はやっておかないと」
そんな話を傍観者として見ていたムルムルはポツリとつぶやいた。
「………だったら俺が見ようか？
まあ、わかる範囲だけど……」
そう言ってムルムルは人差し指で自身を指した。
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あまね(プロフ) - 終わっちゃった？！？れ (12月23日 11時) (
レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです！！ (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ？さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……！！アズ君は本当に一目惚れでした……！ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます！！ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです！！ (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです！更新楽しみにしています！ (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田山本 | 作成日時：2022年12月19日 17時
