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本能の残花01 ページ1

”グレモリー・リシチ公”

そう呼ばれたその悪魔は、恐ろしいほど美しく、

髪も、まつ毛も、瞳も、肌でさえ透けるような純度の高い白だった。

彼の純度の高い白は雪の白さでも濁って見えるだろう。

彼の性格を表しているかのようにカツン、カツンと冷たい足音が鳴り響く。
歩くたびに真っ直ぐで絹のように美しい長い髪の毛がふわりとなびいた。


そう、これがAの生みの母である"グレモリー・カトレア"の夫、

グレモリー・リシチという悪魔である。


問題児クラスの皆がリシチに見惚れる中、Aは別の感情に支配されていた。



「やはり生きていたか」

その瞳には何の感情もなく、冷たく響くリシチの声にAの体が自然と強張る。

A自身、今まで心のどこかで俯瞰(ふかん)的に見ていた体に残る記憶に、こんなにも自身が反応してしまうなど思ってもいなかった。

飛べなくなった翼が疼く。
それが羽管に伝わり、感じるはずのない痛みに支配されていた。


その時、アリスは炎を剣の形に変えると、そのままリシチに振りかざした。


「アスモデウス家の小倅か」

リシチは動じる様子もなく、手をかざすと浮き上がった魔法陣でアリスの攻撃を防いだ。


「貴様……Aに何をしてきた」

「アスモデウス家は礼節を重んじる悪魔だと聞いていたが、口の聞き方も知らんようだな」


怒りを露わにするアリスとは裏腹にリシチは"ふっ"と余裕のある表情で笑った。





「え?え?ちょっとついていけないんだけど…」

ただならぬ雰囲気に困惑した様子でリードが口を開く。

「さ、さぁ…」

見守ることしかできなかったジャズもリードの言葉に対する答えを持っている訳もなく、その様子をただ窺うように見つめていた。


「グレモリー…魔界を代表する大貴族。
リシチ公は当主だった妻のカトレア夫人が亡くなった後、当主代理を務めている方だ」


「おお…さすが”百識の王”………けど、Aと関係なくない?」

アロケルの言葉に疑問が増すばかりのジャズは顎に手を当てた。
一向に答えの出ないジャズとリードとアロケルは"バッ"と入間に視線を集めた。


「え!?僕!?し、知らないよ!!」

入間がぶんぶんと首を左右に振った。



そんなやりとりを横目で見ていたAが口を開く。

「関係ならあります……」

そして、ポツリと続けた。

「私は……グレモリー家の婚外子なので………」

本能の残花02→



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あまね(プロフ) - 終わっちゃった?!?れ (12月23日 11時) (レス) @page36 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - 作品もいいし、何より絵柄がド性癖 (5月31日 22時) (レス) @page36 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - ささくれさんの作品本当に面白くて読んでいて楽しいです!!  (5月15日 11時) (レス) @page32 id: eb45467fdc (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - はにゃ?さん» はにゃさん、こちらでもコメントありがとうございます……!!アズ君は本当に一目惚れでした……!ストックをもう少し増やしたらアップしようと思ってます!!ちょっと展開が重くなりそうで怖いですがこれからも読んでやってくれたら嬉しいです!! (2023年2月8日 0時) (レス) id: 05f14a3afa (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - アズくんの小説少ないので書いていただき嬉しいです!更新楽しみにしています! (2023年2月6日 1時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:山田山本 | 作成日時:2022年12月19日 17時

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