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「偉大な魔法使いになる者として高い場所が苦手だとはなるたる屈辱。どうして、どうしてだ。高いところを見ると足がすくんで、…………ウダウダ考えていても仕方あるまい！鍛錬あるのみ！いざ、練習場へ向かおう」(ここまで全て独り言)
「き、ききききききき君！！少々距離が近くないだろうか！？！？俺が知っている適切な男女の距離感では無いのだが……！！破廉恥だ！レディーが、男にそんな近寄るんじゃない！」
「これは師匠に頂いた大事な物だ。あの人が居なければ自分というものを見失うところだった。俺は、あのお方を尊敬している。どうあろうと、師匠が俺の道標となってくれるんだ」
「雨が降ると故郷を思い出すな！俺の故郷は晴れることが少ない場所なんだ。だから雨が上がると、見える虹がとても美しくて、よく一人で見てたものだな。」
「余り兄弟仲は良いとは言えないな。兄さんたちは俺の事を元々好いていないし、俺も意地の悪い兄さんのことは好きじゃないしな。……と言っても少しばかり、仲良し兄弟には憧れるものだな！」
「そうだろう！そうだろう！俺の凄さが君にも分かるのか！こんなに喜ばしいことは無い！何か困ったことがあればいつでも頼ればいい。偉大な魔法使いになる者である俺が直々に手を貸そう！」(伸びていく鼻)
「む！迷子かな、レディ？この学院は広いからな。行くあてはどこ？俺が直々に案内をしよう。偉大な魔法使いになる者として当たり前の事だからな！………魔法生物の飼育小屋！？いいいい、いま、君はそう行ったのか！？………あんな所へ行くなんていっそエルシャー先生の小言を永遠聞く方がマシだが……一度決めた約束を守り通さねば師匠に顔向けが出来ない。ううむ、……ごっほん！か弱きレディよ、魔法生物の巣窟は危険が沢山伴うだろう。良ければ俺と学びを深めるのは如何だろうか？」
「俺たちは同じ人間なのに、魔法の有無だけで関われないんだろうか。とても不思議だ。父上は、彼らが劣った存在と評価するけれど、俺はどうにもそうは思えない。………といったら、怒られてしまうけどな！」
「紅熊寮生！喧嘩はやめたまえ！偉大な魔法使いである俺が直々に仲裁に入ったんだ。大人しく拳を仕舞うんだ！ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ。俺は決してこの喧嘩に参加しようとしたのではなく、君たちを止めるために、ちょ、襟元を掴むのはやめてくれ！」
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作者名：うらぬす | 作成日時：2023年3月5日 0時
