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髪の毛を乾かし終わった頃、樹もお風呂から帰ってきて、
「…お待たせ。寒くない？」
「うん、平気。でも、すっごい雨だったね…」
「まだ降ってるもんな」
窓の外は未だ土砂降り。
「んまーコレで外出るのアレだし今日は俺ん家で飲もーぜ」
「え、お酒あるの？」
「んーーー、この前慎太郎たち来た時のが〜、あ、わりとあるわ。ツマミも乾き物ならあるよ」
と冷蔵庫開けてるけど、
「なにその冷蔵庫。お酒しか入ってないじゃん…」
「男の一人暮らしなんてこんなもんっしょ」
…ていうか私、樹の部屋来るの初めてだ。
部屋を見渡せばモノトーンな必要最低限の家具。ソファにガラスのローテーブルにテレビ。ラグも「寒いっしょ」って掛けてくれたブランケットもモノトーン。…樹っぽいけど。
ラグに座ってソファに寄りかかりながら好きなの選んで、って渡されたリモコンでテキトーに選んだ映画がＢＧＭ代わりとして流れてる。
「ねぇコレ開けてもいい？」
「いいけど、お前ワイン飲めたっけ？」
「…多分？」
「まぁいいけど、ワイン酔うよ？」
一口飲んでみたらわりと美味しい。
てかそういえば家に入った時から思ってたけど、
「樹の部屋、いー匂いする」
「…そ？」
「なに？フレグランス？てかさっきお風呂でいろいろお借りしたけど、全部いい匂いだった」
「…なにそれ(笑)」
「まぁでも樹いつもイイ匂いするもんね」
「……なに、お前もう酔った？(笑)」
「え？酔ってないよ、変なこと言った？私」
「…いーや？お前匂いフェチかなんか？」
「んーなのかな？…でも私あんま香水とかつけないからな〜」
「Aだってイイ匂いすんじゃんいつも」
って私の髪の毛に頭近づけて、
「…アレだわ、俺の匂いする」
「……嗅ぐな」
って言ったらふはっ、って笑う樹。
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作者名：なち
| 作成日時：2021年9月19日 3時
