サイレント・クンツァイト (ページ36)

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無事に全員試験合格して、長期休み。

試験を終えてジェシーくんに連れられて食堂に行ったらいつもの５人が集まってて。

「ねえねえ」
「うん？なあに、京本くん」
「来週末、俺ん家で集まろうって言ってるんだけどAもくる？」

くいくい、と私の服の袖を引っ張ってにこにこしながら。両親が旅行でいないから泊まりで楽しいことしようって話してるんだ、ってもちもちのほっぺ頬杖ついて言われる。

……かわいい。私が男の子だったらイチコロだったよ。…あれ？違うか。…あれ？

来週末……は確かバイトなかった気がする。

折角の長期休みなんだし、Aちゃん混んでるところばっか入ってくれてるから。って店長が休みの間だけシフト変えてくれたんだった。

予定もないし大丈夫ですって言ったけど、週末家でゴロゴロすんのも大事だよ？って。

じゃあお言葉に甘えて思う存分ゴロゴロします！って有り難くお休みもらっちゃったけど、

泊まりかあ…

ってちょっと悩んでたら樹がこちらを見ていて目が合う。何か言いたげな顔してるからなに？って聞こうとしたら

「え！Aちゃん来ない選択肢なんてないでしょ！」
「いやAちゃんも予定とかあるかもしれないだろ」

え〜、来てよぉ〜！って駄々こねるジェシーくんと冷静な北斗くん。

どうしようかな、って迷ってたら

「葵ちゃんにも声かけてみて来れそうならおいでよ、２人で」

無理しなくていいし、泊まらなくてもいいし。ね？って髙地くん。

相変わらず周りが見えてて優しい。

「…じゃあ、そうしようかな」
「ねえ絶対！絶対来てね？」

俺Aに見せたいものあるから！って私の腕にしがみつく京本くんを樹がちょ、きょも！マジで！って引き剥がしてる。樹がうざい！って言われて机に突っ伏してるけど。