サイレント・クンツァイト (ページ14)

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そんなこんなで神社に着くと思っていたよりも広くて大きい敷地。結構人が多くて８人で動くには難しそう。

神社前でみんなで一度立ち止まって、一番後ろを歩いてた北斗くんと私が合流すると樹と目が合って、少し驚いた顔をした。

…なに？ってアイコンタクトで返したら困ったようにふっ、って笑って目を逸らされた。

「…とりあえず年越しまで時間あるし、屋台まわるべ」
「そうしよー！俺腹減ったぁ」

もうペコペコだよ〜とジェシーくんがお腹ぽんぽんしてる。

「AA！何食べる？」
「京本くん何食べたいの？」
「ん〜俺はね、じゃがバター食べたいかなぁ、あとわたあめと〜…、待って、見てA、ベビーカステラあるよ！」
「うん、全部食べよう。全部買ってあげる」

キラッキラした目で私の腕を掴んで一生懸命話しかけてくる京本くん。

可愛すぎて、誘拐したい。

「なんでよ！俺が全部買ってあげるよ〜、行こ？」

ってそのまま腕を引かれる。

「大我！迷子になる！勝手に動くな！」

って後ろから髙地くんが怒ってる。

…うん、聞いちゃいないよ大天使。

後ろを振り返ればみんなが急いでついてくる。

その後人混みの中ではぐれないようになんて無理だったようで。いつの間にか樹が隣にいて、他のみんなは見渡すと点々と離れた場所にいた。

とりあえず俺と北斗は先にテント下の席取ってくるわ、と２人は裏の広場へ。

「Aちゃ〜ん、約束通り買ってあげるから好きなもの言いな？」
「えっ、ジェシーくん本当に？いいよ、私も楽しいから」
「いーのいーの！こういう時は甘えときなって！葵ちゃんも買ってあげちゃうー！」
「えー！ホントに！？ジェシーくん男前〜！」

…２人してキャピキャピ騒ぎ始めた。