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なんだかんだみんなで、はあるけど、こうして二人で話すことってあんまりなかったな。
「…なんか、北斗くんとこうやってちゃんと話すこと今まであんまりなかったよね」
「まぁ、アイツらいつもうるさいから俺あんま喋らないしね」
「でも私、北斗くんが好きなものとかの話になると饒舌になることとか、仲良くなるとずっと喋ってるって知ってるよ?」
「え、ごめん待って。誰だ?リークした奴は。……田中の野郎だな?」
「うんそう。(笑)」
ちょっと冷静に考えて恥ずかしいから知らないことにしておいて、って照れたように笑う北斗くん。
…改めて間近で見るとキレーな顔立ちしてるなあ。鼻とか高くて羨ましい。肌もつるつるだ……スキンケア、何使ってるんだろう。
じぃ…っと見てた私の視線に気づいたのか、ん?って笑いかけられてちょっと動揺。
「…ね、ねぇ、ずっと思ってたんだけど北斗くんっていつもおしゃれだよね。他の人が着たら似合わないようなものも北斗くんが着てると様になる」
「え、待って、ソレ褒めてんの?」
って笑う北斗くん。
「褒めてるよ!でもどこに売ってるの?そんなコート」
アシンメトリーなデザインで、本当に変に手出したらちんちくりんになる。
「ねえAちゃんやっぱ馬鹿にしてるでしょ」
ふわふわなパーマのかかった黒髪。
目が隠れそうで隠れない前髪の隙間から睨んでくる。
「…あと、初めて会った時はワンコみたいって思った」
「なにそれ。犬?可愛いじゃん俺。(笑)まー、Aちゃんは猫っぽいよね」
「…え?猫?初めて言われたんだけど」
「なんかこう…掴みどころがないっていうか。フラッと現れてフラッといなくなる感じ?」
「え、待って。ソレ褒め言葉?」
さっきの北斗くんの真似して睨めば、「ごめんって、」って笑う北斗くん。に釣られて笑う私。
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作者名:なち | 作成日時:2021年9月19日 3時