シークレット・ランデブー (ページ17)

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確証も根拠もない未来を約束したんだ。

『じゃあ、Aちゃんにいいこと教えてあげる』
『え！なんですか？』
『…知りたい？』
『それは…はい、知りたいです』

小さい子供のように少しわくわくした声が聞こえて、思わず笑いが溢れる。

『……これから先、もう少し先。きっとAちゃんはさみしくなくなるよ』
『……え？どういう意味ですか？』
『…まだ、かな。もう少ししたらわかるよ。俺が保証してあげる、Aちゃんは絶対に幸せになれるよ』

…今じゃない。もう、少し。

『…だから、その日が来るまではさ。寂しい時も暇な時も、何ならどんな時でも連絡してきていいよ』
『……わたし、面白い話とかできないからつまらないかもしれないです』
『ふはっ！(笑)つまらない会話もしようよ。……俺ら〝仲良し〟なんだからさ？』

仲良しってそういう他愛もないこととか、くだらないこととか話したりするでしょ？って付け加えたらふふ、って柔らかい笑い声が聞こえてくる。

少しずつでいいよ、俺のことを知ってよ。

Aちゃんのことがこんなに好きで仕方なくなってる俺の気持ちも少しずつでいいから、気づいてよ。

…それで、つまらないこともくだらないことも。どんなことでも話そうよ。俺に、教えてよ？

じゃあ、今日の夜ごはん作った時に撮った変な形したにんじんとかも送ってもいいですか？って恐る恐る言われて、ホント変化球な発言に思わず吹き出した。

『ねぇ(笑)めっちゃ面白いじゃん(笑)』

料理しながら変な形だなって人参見つけてスマホで写真撮ってるAちゃんの姿想像したらツボに入った。(笑)

声出して笑う俺につられて電話の向こうでAちゃんもケラケラ笑ってて。

『……なんか、げんきでました』
『…ね？だからいつでも、連絡しておいで』

少し明るくなった声でそう言ってくれるから、思い切って電話してよかったと心底思う。

それから、焦りながら考えながら少しずつ。と思っていた距離は確実に縮まっていることを実感して。

『…本当にわたし、連絡しちゃいますからね、……あとから嫌だって言わないでくださいね！』

ってちょっと拗ねたような声で言われて、もーーー俺かわいくってダメ。(笑)

『じゃあ……おやすみなさい』
『ん、おやすみAちゃん。また明日ね？』

その後、ポンっ、と早速送られてきた人参。…本当に変な形してて写り込む小さな手さえも愛おしくて、

元気にさせたいと思ってかけた電話で自分の方が元気もらってることに様々な感情の混じったため息が出た。