シークレット・ランデブー (ページ14)

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頭の中Aちゃんの事でいっぱいなんだけど。……なんて言ってる暇は俺にはない。

…なんだこの仕事の量は。

デスクに戻って座った途端、俺宛ての電話、書類の確認、資料の相談。明日のデカイ会議の為の仕事がまあ山積み。

…やるよ、やるけど！

ここミスあるから直しておいて、ソレこっちでやっとくから大丈夫、あー、部長今いないからメモ残してデスク置いといて。

…と忙しなく働いてて、ふと顔を上げて時計確認してたら廊下を歩いてくAちゃんを発見。

「……わりぃ、ちょっと席外すからなんかあったら電話して」

隣のデスクの髙地に一声かけて急足で追いかける。

「やっほ、Aちゃん」
「あ、田中さん！」

扉を押し開けたら階段にちょこん、と腰掛けて空を見てたAちゃんが俺の顔を見て嬉しそうに立ち上がって名前を呼ぶ。

「…待ってた？(笑)」
「はい！昨日来れなかったから田中さんいるかなって…待ってました！」

はあ？……なにそれ。ずるいんだけど(笑)

「………素直〜(笑)」

その顔知ってんの俺だけじゃないのが妬けるけど。

「……あのさ、Aちゃんって北斗と仲良いの？」

その質問した直後、ちょっと後悔した。
…肯定されても否定されても嫌だなと思った。

聞けば昨日の残業の残りを手伝ってくれたお礼にご飯一緒に食べた、と。……俺だってAちゃんにお願いされたら手伝ったよ？って思ったけど飲み込んで。

そしたら仕事できるし優しくていい人、なんて北斗のこと楽しそうにベタ褒めしてくるからやっぱ後悔。(笑)

北斗との関係性聞かれて大学の後輩って言ったらびっくりした顔してて、……まあ、Aちゃんと近くなれるキッカケになるならと思って３人での飯提案したら眉間に皺寄せて考え込むAちゃん。

「え、なに？(笑)シワよってるよ(笑)」

そんなに嫌ならいーよって眉間にトン、と触れれば、慌てて

「ちがいます！嫌とかじゃなくて、その、緊張、しちゃうし…」

って言うから。

…北斗とは昼飯食えんのに？俺がいたら嫌なの？ってムッとして

「…俺とも、北斗とも仲良しなのに？(笑)」
「なかよし……」

………Aさん、嘘でしょ？

「え！ひどくね？(笑)仲良しでしょ俺ら(笑)」

内心の焦り隠して笑って聞けば

「……逆に仲良しって思っててもいいんですか？」
「どんな確認(笑)仲良しだよ、俺ら。…ね？」
「やったあ、うれしい…(笑)」

うれしい、と呟いて噛み締めるようににやにやしてて。

……本当、ずるい。