スタンドバイ・ユー (ページ6)

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気を取り直してメールチェックをしてた時に、

「……あ。」

とまたもや背後から声がして、振り返れば。

「…はよ、Aちゃん。」

返事をする間もなく通り過ぎながら笑顔を見せた、田中さん。

そのまま部長のところに行って何か話し込んでる。

見慣れない顔にまわりがざわつく。

「あー、みんなちょっといいかな？…こちら横浜から配属されてきた田中くん。部署は隣だけど、ウチもよく関わること多いからよろしく頼むよ。」

部長がみんなに紹介して、

「…田中樹、です。一応、こちらと隣の部署の代表として関わることが多いと思いますがまだわからないこと多いんで、皆さん教えてください。よろしくお願いします。」

…田中さんってあんな顔してたんだ、なんてボーッと見てたら、バチっと目が合ってビックリする。

逸らすにもそらせなくて、ひとりで慌てふためいてたらふっ、と笑われ、視線を外された。

…恥ずかしい。

俯いてパソコンに視線を戻せば

「え、かっこよくない？」
「めちゃくちゃ仕事できるらしいよ」
「顔も良くて、仕事もできるハイスペだわ」

と女性社員がざわついている。