スタンドバイ・ユー (ページ5)

今日:21 hit、昨日:14 hit、合計:484,464 hit

０５ページ5

深く考えて暗い気持ちで会社に着いてしまった。

…よし、今日も頑張るぞ。

と、会社前で気合を入れ直して、オフィスへ。

デスクについて一番に資料の最終確認をして、部長へ渡す。

「部長、おはようございます。これ、今日までの資料です。ご確認お願い致します。」
「はいはい。ありがとう。……うん、完璧だね。…アレ、でもこれ、来週頭までだよ？宇野さん仕事早いねぇ。」

……ええぇ。ウソでしょ…

なんでわざわざそんな嘘つかれたんだろう…

探してみたけどその仕事を頼んできた先輩は見当たらない。

肩を落としてデスクについてメールチェックをしてたら、

「…おはよ」
「あ、おはよう。北斗くん。」

眠そうな目をパチパチさせてだるそうな顔をしてるこちら、同期の北斗くん。

「…なんか負のオーラ感じるけどなに？」
「え…？あ、いやたいしたことじゃないの」
「朝から肩落としてデスク戻ってったくせに？」
「…見てたの？恥ずかしい。…でも本当大したことじゃないから大丈夫だよ」
「………そう？まあなんかあればまたメシ食いながらでも聞くから」

今日もダルいけど頑張ろ〜。そう言って肩をぽんぽんとして去っていった。

同期のポンコツな私とは違って、ダルい、なんて言いつつ仕事はテキパキこなすし、私から見ても基本的にはクールで人とは群れない。…でも、本人もあまり社交的なタイプじゃない、と言いつつもなんだかんだ人付き合いも上手で、だからこそ業績も優秀。

そしてこんなポンコツな私にも分け隔てなく優しい。

……神様はきっと北斗くんを作る時、マイナス要素入れなかったんだな。羨ましい。