スタンドバイ・ユー (ページ25)

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おサボりもほどほどに、そろそろって解散して。

今日は定時であがれるといいね、Aちゃんに会えたし俺も頑張ろ〜って仕事に戻ってった田中さん。

…わたしももう少しで上がれるからがんばろう！

『今日、残業じゃなくなったんだけどひろくんはどう？ご飯は食べる？』

ラインを送信したら、珍しく早い返事が返ってくる。

『今日は早く帰れそう。食べる。』

え！え！一緒にご飯食べれるの？
いつぶり？

『ほんと！じゃあひろくんの好きなもの作って待ってるね！』

うれしくて顔が綻んでしまう。

帰りスーパー寄って買い物して帰ろう。

そのまま定時で無事上がって、スーパー寄って、ご飯作って。

ひろくんは言ってた通り早く帰って来てくれて。

「…おかえりなさいっ！」
「…ただいま。なに、テンション高くね？(笑)」
「だって、嬉しいから。久しぶりだよ？一緒にご飯食べれるの！」
「……最近ずっと忙しくて…、ごめんな？」

ううん、いいよ。
こうやってたまに仕事が早く終わった日に帰って来てご飯一緒に食べれるだけで、幸せ。

ひろくんのために作ったごはん、ちゃんと全部美味しかったよ、って食べてくれて、幸せな気持ちになって。先お風呂入ってきな、って言われて湯船に浸かりながら考えてた。

お風呂から上がって、リビングに戻ったら

「…え、ひろくんどこ行くの？」

脱いだはずのスーツジャケットをまた羽織ってるところで。

「…わりぃ、急な呼び出しがかかって」
「……こんな時間に？」

だって、もう、２２時になるよ。
仕事って……ほんとうに？

わたしの言葉に、またあの時と同じように。
ひろくんの顔も目の色も変わったのがわかった。

「…ごめんね、お仕事だもんね。…気をつけて行ってきてね」
「…うん、何時になるかわからないから先寝てて」

そそくさと、リビングのドアをバタン、と閉めて出て行った。

……さみしい、くるしい。