スタンドバイ・ユー (ページ22)

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「北斗くん、ほんとにこんなのでいいの？」
「こんなの、って(笑)」
「だって…」
「いいってば(笑)まあ、俺が仕事で困った時助けてくれるでしょ？」
「…そんな時、一生来ない気がする」

食券を買って、空いてる席に座った。

北斗くんがＡランチでわたしがＢランチ。

………一個食う？ってエビフライくれたから、わたしもからあげ一個あげて、今度は冗談っぽく次から仕事、おかしいなって思うことされたらとりあえず言いなさいよ、って言われた。

本当はね、終わらなかったらどうしようと思ってすっごい焦ってたの、なんてちょっと本音も言えて、俺は慣れてるからアレだけど、普通にあの資料読みといて打ち込むのめちゃくちゃムズイからね？…まあでもよかったじゃん、今日は定時で帰れるね、って北斗くん。

北斗くんにごちそーさま、ありがとって言われて、なんでよこちらがだよ、って言って。

デスクに戻って、完成したデータを言われた通りコピーして恐る恐るランチ後でリップを直してる先輩のもとへ持っていった。

「……お疲れ様です、あのこちら作成してコピーし終えたのでお待ちしました」
「あー、……ありがと」

……あなたが頼んできたのになんでそんな機嫌悪いんだ！

って心の声は仕舞い込んで。

じゃあよろしくお願い致します、ってデスクに戻ったらデスクの上にカフェラテが置いてあって、ポストイットで〝やり終えたからって寝るなよ〟って北斗くんの字。

…もう、これじゃご馳走した意味ないのに。

通常業務に戻って、仕事に取り組んでふと視線を時計に向ければ１５時。

…昨日せっかくお誘いしてくれたのに行けなかったな、田中さんいるかな、と思ってちょっとだけ休憩、とさっきもらったカフェラテ片手に非常階段へ向かった。